梅盆栽の作り方のポイントから使用道具まで

目次

梅の特徴

万葉集のころから親しまれてきた花木で、紅や白色など色とりどりに咲く小花とふくいくとした香りが魅力です。
バラ科の落葉する小高木で、原産地は中国。
野梅性のものは樹性も強く、細かい枝や小型の葉は盆栽にうってつけです。
葉は先端が細くとがった卵型をしていて、花は12月ごろから咲きます。

梅盆栽の苗の選び方

購入の時期は12月から1月下旬ごろが最適です。
根の張りがよく全体的に小作りにできているもの、幹の太さが鉛筆くらいで、高さが30cmほどのものを選ぶといいでしょう。
梅盆栽には模様木、文人木、斜幹などふさわしい樹形があります。
ですので、どのような形に仕立てたいかをイメージしながら選ぶと失敗しません。
幹にカイガラ虫などの病害虫がついていることがあるので、必ず確認をしてから購入しましょう。

盆栽作りで用意するもの

○道具

・1mm目と4mm目のフルイ・土入れ

・盆栽バサミ

・細かい作業をするためのヘラつきピンセット

・股枝切り

・盆栽用クマデ

○用具

・ハス口つきジョウロ

・針金(アルミ製・直径1~2mm)

・鉢底ネット

・5号の仕立て用鉢(素焼き鉢や駄温鉢)

梅盆栽に合う鉢

観賞用には花の色と調和する色彩のものが合います。
紅色の花には赤色、白の花には白泥などといった釉薬がかかっている鉢をおすすめします。鉢の形は樹形に合わせ、幹が直立した盆栽には平たい薄鉢、くねくねとした模様木には重厚感のある四角い鉢がマッチします。

梅の盆栽用土の作り方

赤玉土6、桐生砂または鹿沼土2、腐葉土2の割合で混ぜ合わせた用土を用意します。
水はけをよくするため、鉢底に敷く大粒の赤玉土のゴロも必要です。
4mmのフルイにかけて残ったものをゴロと呼びます。

梅盆栽の作り方と仕立て方

梅は強く、木が若いうちは簡単に枝を曲げることができるので、様々な樹形にできます。直幹、文人木、斜幹、双幹、半懸崖などがありますが、仕立てやすい模様木について説明します。

① 苗木の土を1/2ほど落とします。

② 根を1/2ぐらい切り、根の付近に生えている枝があればすべて取り除きます。

③ 上部の枝については一か所から2枝以上出ている場合は1枝だけ残し、それぞれの枝は2~3芽残してそれより先端は切ってしまいます。

④ アルミ線を用意し、幹に巻きつけていきます。
模様木らしいくねくねとした曲げをつけるのです。

⑤ 木の最先端の1本は上へ伸ばすためいじりませんが、それ以外の枝には針金をかけます。

⑥ 各枝をバランスよく多少下向きにし、横になびかせるような形にかけていきます。

⑦ 木の準備は終わりましたので、鉢へあげる用意をします。

⑧ 仕立て用の鉢の底に網をおき、赤玉土のゴロを薄く敷いた後、用土を少し入れます。

⑨ この上に苗木を置き安定させ、根と根の間にも十分に土が入るように植え込みます。

⑩ 植え終わったら、水をやります。
量は水が鉢底から抜けて出てくるくらいを目安にします。

⑪ その後はムロの中に入れ防寒するのがいいのですが、ムロがない場合は日当たりがよく霜のおりない場所へ移動させます。

⑫ 2日に1度、鉢底から水が出るほどの十分な水やりをし、葉が活動する時期まで管理します。

⑬ 品種にもよりますが、仕立ててから1か月ほどで花が見られるようになります。

⑭ 花が咲いた後は、花がら摘みを小まめにし長く観賞を楽しみましょう。

⑮ 仕立ててから3年以上たちましたら、木も落ち着いてきます。
好みの化粧鉢へ移して、室内に飾って楽しめるようになります。