桜の盆栽の作り方と必要な道具一式

目次

桜の特徴

日本を代表する花といえば桜。
春に爛漫と咲きほこる姿は素晴らしく、花物盆栽として一つは持っていたい樹種です。
盆栽に適した種類としては、ヤマザクラ、フジザクラ、ヒガンザクラ、カンヒザクラ、寒桜、十月桜、しだれ桜が一般的に出回っています。
また、花びらの数の違いで一重や八重の種類に分かれています。

桜盆栽の苗の選び方

桜は傷に弱く切り口から枯れこみやすいので、刈り込みながら作る盆栽としては少々難しい素材といえます。
ですが、剪定に比較的強いフジザクラやヒカンザクラを選べば失敗は少ないでしょう。
小ぶりの花と葉も、盆栽に仕立てるにはぴったりです。
購入時期は2~3月。
高さは20~30㎝、幹の直径は1cm以上の素直に伸びた木を選ぶといいです。

盆栽作りで用意するもの

○道具

・フルイ(1mm・4mm目のもの)

・盆栽バサミ

・ピンセット(ヘラがついてるものがいい)

・土入れ

・股枝切り

・菜ばし(根の古い土落としに使用)

○用具

・アルミ製の針金(直径1~2mm)

・ジョウロ(蓮口つき)

・鉢底用のネット

・仕立てるための鉢(5号サイズで素焼き鉢など)

桜盆栽に合う鉢

花の色や樹形に調和する鉢を選ぶとバランスのよい盆栽に仕上がります。
淡い色彩の桜には、白、黄色、紅色、緋色、赤色の色彩のものを選ぶと花が映えます。
色が決まったら、樹形に合う形も見てみましょう。
くねくねした模様木にはどっしりとした標準的な深さのもの、幹が傾斜した木には、根の安定感を示す広い面積のものが合います。

桜の盆栽用土の作り方

赤玉土5に川砂3腐葉土2が理想的な配合です。
川砂は水はけを促すために入れたほうがいいのですが、川砂を含まない赤玉土7に腐葉土3の割合でも大丈夫です。
鉢底用にゴロと呼ばれる4mm以上の大きな赤玉土も用意しましょう。

桜盆栽の作り方と仕立て方

桜に多い樹形、模様木にする方法を述べます。

① 購入したらすぐに、根の土を落とし根をほどきます。

② 真っすぐ下に伸びる直根や勢いのある根を短く切りつめます。
細かい根は1/3ほど切り整理をします。

③ 素焼きの5号鉢の底に、鉢底用のネット、赤玉土のゴロ、少量の用土の順序で入れます。

④ 先ほど処理をした苗の根を広げ、鉢に入れます。

⑤ 上から用土を入れて、苗を押さえつけ定着させます。
根のすき間にしっかり用土が入るようにすると、その後の生長がよくなります。

⑥ 植え終わったら水やりをします。
鉢底から水があふれくらいが丁度いいです。

⑦ その後は1週間~10日ほど半日陰に置き、強い風が当たらないよう様子を見ます。

⑧ 春になると花蕾がふくらんできますが、木の生長を優先させるためにすべて取ってしまいます。

⑨ 4月上旬には日当たりのいいところへ移動させ、油かすの玉肥を根元に2個置きます。

⑩ その後は雨期をのぞき、月に1度肥料を交換しましょう。

⑪ 11月に伸びすぎた枝を、根元から3芽残して切ります。

⑫ 12月に入ってからは、日の当たるムロや室内で管理します。

⑬ 翌年の春にまた花蕾をとり、6月になったら針金をかけます。

⑭ 幹に針金を巻きつけ、2~3回曲げをつけます。

⑮ 枝は少し下げながら、外に引き出し2~3回曲げます。

⑯ 正面・側面どこから見ても、曲げのある模様木になるよう注意しておこないましょう。

⑰ その後は一年目の管理と同じように、肥料を与え、木の生長を促します。

⑱ 3年目の春には観賞を楽しめるほどに仕上がっていますので、化粧鉢に入れ替えます。