盆栽鉢の作り方と松の盆栽の剪定方法

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盆栽を作っていると「鉢映り」を考えるようになり鉢にも興味が出てきます。
家庭にある器を利用した鉢作りと粘土から作り上げる鉢の作成方法について学びます。

目次

湯のみやぐいのみを利用した盆栽鉢

家庭にある器の底に上手に穴を開けることができれば、簡単に盆栽鉢として利用することができます。
穴開けを成功させるには薄作りで焼かれた器を選び、釉薬をかけて焼いたものより素焼きのほうがひび割れも少ないです。
ですが釉薬のかかり方やどのような温度で焼かれた器かによって、ひび割れの仕方も様々なので、まずは割れても惜しくないもので、試してみることをおすすめします。
また器の底には丸い縁(高台)がついており、器を置いたときに底の中心が地面に直接つかないものを選ぶ必要があります。
縁によって器の底が上がっていないと、せっかく穴を開けても水の出口を塞ぐことになるからです。

ぐいのみ鉢の作りで必要な道具と作成法

・用意する道具
金づち・センターポンチ・バケツ・砂・棒状やすり
・穴の開け方
砂が半分以上入ったバケツを用意し、その中へ穴を開けたい器を逆さまにして入れ、鉢底表面だけが砂の上に見えている状態にします。
このとき大事なのは裏返しになった器の中に、砂がいっぱいに入っていることです。

穴を開けたい部分にセンターポンチの先を当て、センターポンチのおしりを金づちで軽く数回打ち付けます。
薄作りのものは一回で、少し厚めのものでも数回打ち付けると穴は開きます。
力をかけ過ぎると割れてしまうので慎重におこないましょう。
穴が小さく開いたら、そこをきっかけにしてセンターポンチの先端をずらしながら穴を広げていくといいです。

穴が開いたら鉢底にある縁にやすりを当て、水の抜け道を作ります。
2か所ほど谷を作れば出来上がりです。

この方法でサザエの貝殻に穴を開けると一風変わった盆栽鉢を作ることもできます。

盆栽鉢を粘土から自作する

自宅のオーブンで焼成できるオーブン粘土を利用すれば、鉢作りを形成から楽しむことができます。
低温度硬化型粘土のことをオーブン粘土といい、190度以下の温度で焼き上げることができるので、電子レンジのオーブン機能を使って簡単に器作りができます。

粘土による鉢作りで必要な道具と作成法

・用意する道具
オーブン粘土・はし・かきべら(粘土を削るときに使う道具で、金属でできたへら部分には様々な形がありますが、楕円形の形をしたものが鉢作りには使いやすいです)

・作り方
まずは粘土をよく練り、イメージした鉢の形を作ります。
その後、かきべらを使って鉢の内側を削り出し、外側の形も整えるようにしていきます。
鉢壁や鉢底が均等な薄さになるように削るのが大切で、この作業を丁寧におこなうことで焼き上がりに違いが出てきます。
全体を削り終えたら鉢底に穴を開けます。
鉢穴は真ん中に1つ開けることが多いのですが、中心から離れたところに3つほど開けると水はけがいい鉢になります。
最後に鉢の底に足部分である高台を作ります。
小さく丸めた粘土をいくつか底の縁につけて、水の流れ出る道を確保しましょう。

成形が終わったら完全に乾燥させることがポイントです。
乾燥が不十分だと焼いたときにひび割れを起こしてしまうので、5~7日ほど風通しのよい日陰に置き十分に乾かします。
全体が白っぽく変わってきたら、乾燥が終わった証拠なので焼成の準備を始めます。
焼く温度は粘土の種類によって多少違いはありますが、低めの温度で長時間焼くほど丈夫なものになります。

松柏類の剪定に関する様々な疑問と答えをまとめました。

松の種類別、剪定への質問と答え

Q:黒松や五葉松盆栽の枝を切るポイントは?
A:まずは、将来どのような樹形にするかを明確に思い浮かべ、そこから逆算するように枝を切っていきます。
一番下にある枝をどれにするか、枝の間隔をどのくらいにするかを決定すると樹高の高さが決まり、全体的なイメージが膨らみます。
一番下の枝を低くして枝の間を狭くしていけば、樹高の低い落ち着いた木を作ることができ、一番下の枝を高めの位置に決め枝間を広くとった場合は、背の高いのびのびとした盆栽になります。

A:その赤松の個性が生かせるような樹形を考え、枝の配置を決めます。
幹にいい風合いが出ている角度を前にして、全体的な流れを見ながら枝を切ります。
硬い木質の赤松は針金をかけにくく、樹形作りは枝の配置にかかってくるため、切る枝は慎重に選ぶ必要があります。

Q:蝦夷松盆栽の枝を切るときに気をつけることはなに?
A:下に出る枝が多く芽をたくさん伸ばす樹種なので、枝をそのままにしておくと頭が重たく見える盆栽になってしまいます。
木の休眠期に適宜枝を切り、幹の姿や枝ぶりが見えるような形を作っていきましょう。
蝦夷松の個性を生かすには、一番下の枝は比較的高い位置に決めることをおすすめします。

Q:瑞祥(五葉松品種)の剪定にはコツはある?
A:五葉松と比べると生長が早く、とくに下の枝の太り方は顕著です。
あまりに低い位置の枝が太ると樹形を崩す原因になるので、早めに切ることが重要です。
このような枝の傾向をつかんでおき、枝の間隔を広めにとった形にすると込み合いを防げるでしょう。

松盆栽の困った枝の剪定についての質問と答え

Q:松盆栽の幹の一部から何本もの枝が出る車枝はどのように処理するのがいい?
A:理想はいい枝を1本残してほかはすべて切ることですが、選びきれない場合はとりあえずそのままにして、脇芽が出るのを待つという選択があります。
ですが枝を残したまま長引かせると樹形が崩れていくので、近くにめぼしい芽が出始めたら早めにそちらに切り替えるようにして、車枝の整理をしましょう。

Q:太さがバラバラな松の枝がありますがどのように剪定する?
A:枝は太さをそろえるとバランスのよい盆栽になります。
できるなら木にある一番細い枝にそろえ、目立って太いものは切っていくようにするといいでしょう。
とくに樹冠(木の最上部)に枝が伸び、枝元が太り出したものについてはすぐに切り落とす必要があります。

松盆栽の枝の剪定以外について質問と答え

Q:黒松盆栽の芽切りをするのはなぜ?
A:黒松は盆栽のような小さい木にしようとすると葉が長いためバランスがとれません。
そこで長く伸びようとする1番初めの芽を切ってしまい、次に出てくる芽を育てます。
結果的にこの芽が葉になるまでの期間が短くなり、葉は短いまま生長がストップします。このように最初の芽を切ってしまうことで短い葉を作り上げ、盆栽がバランスよくなるように芽切り作業をおこなうのです。

Q:シャリやジンってなに?どのようにして作るの?
A:幹が古くなって朽ち白骨のようになったものをシャリといい、枝の朽ちたものはジンと呼ばれ、木の厳しさや古さを表すものとして高く評価されています。
幹や枝の枯れた部分の皮を薄く削って白い肌を出していきますが、幹を削る作業は水を吸い上げる管にも触れるので少しずつ慎重におこなう必要があります。