盆栽初心者にもできる黒松や手のひら盆栽の作り方

苔玉

黒松は水枯れや日照りなどにも比較的強く、「芽」に関わる作業をきちんとしておけば育てやすい樹種です。松盆栽と言えばお父さんの趣味、手入れも毎日しないといけない感じで難しく考えがちですね。黒松はマツ科の常緑針葉高木で、日本では北海道以外の全国の沿岸沿いに自生しています。潮風や寒暖差にも強く、五葉松に比べて長く剛直な葉と固い樹皮が特徴です。その堅いイメージから「男松」とも呼ばれ、環境に適応する力が強いので盆栽としては赤松よりも人気も育てやすさも上手です。

黒松は産出される地方によって種が少しずつ違ってきます。愛知県岡崎市の「三河黒松」は短い葉と太めで荒れ方が美しい幹が人気です。香川県高松市が最も多く黒松を産出していて、松盆栽シェアは8割とも言われています。
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目次

黒松に適した置き場所と水やり

日当たりが良い場所に置きましょう。通年屋外で育てることができますが、冬の冷たい強風で傷むような時には霜が当たらないところへ移動してみると良いでしょう。室内に移動して干渉する場合は5日から1週間ぐらいに留め、その後はすぐに屋外へ出してやりましょう。

乾き気味の環境にした方が生育が良いので、冬には3日に1回程度の水やりに留めます。真夏の高温期には朝晩の1日2回ぐらいまで増やす必要があるかもしれません。その他の時期は1日1回程度が目安ですが、いずれも鉢の中の土が湿っていないことを確認してから水やりをするようにします。真夏の夕方に葉水をかけるとハダニ予防にもなります。

黒松の植え込み用土

色々な用土がありますが、初心者としては少しでもわかりやすい方がうれしいですね。そんな時には通信販売で盆栽用土を探して購入することをおすすめします。清潔で養分や水分をベストな状態で黒松に届けてくれる「配合済み用土」を購入した方が生育が良くなります。自分で配合する場合も清潔で肥料分のない赤玉土と桐生砂、どちらも小粒のものを7:3の割合ぐらいで混ぜると基本的に間違いはありません。赤玉土のみでも育てることはできますが、水はけの良さを持たせるために桐生砂を混ぜた方が良いでしょう。
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肥料と病害虫について

肥料は梅雨時と真夏を除いた4月から9月の間に月1回、有機肥料を置きます。
アブラムシと松枯れ病には春から秋にかけて殺虫剤を2か月に1回程度散布して防除しましょう。

剪定

3月ごろ選定作業をします。間延びした芽は元からハサミで切り、芽切りをしていないところは葉を3枚から4枚付けたところで切り詰めます。

針金かけ

11月から3月は黒松の生育が止まる休眠期です。この時期に樹形を整えるための針金かけをします。特に枝を大きく曲げる目標がある時には1月末ごろから針金かけを始めることになります。幹も太いため同じぐらいの時期にすると良いでしょう。かけた針金は半年から1年ぐらいは外すことはできません。

芽摘み

黒松の葉は想像よりも早く伸びるので芽摘み作業は欠かせません。4月に入ったころの伸び始める直前、弱い芽は残して勢いの強い芽だけを折ります。折るのは半分ぐらいの長さが目安です。

芽切り

6月中旬から7月にかけて芽切りをします。新芽の弱いものから元を切り落とします。こうして前年の葉だけにしておいて、勢いの良い芽は2週間ほど後に作業をすると9月になるころ次に出た芽の大きさがそろって見かけの良い黒松になります。

葉すかし

混み合った芽や古い葉を取り除く作業です。11月下旬から12月にかけて落葉していくので、落ちずに残った葉を抜き取ります。ピンセットを使用すると作業がしやすくなります。

黒松の植え替え

盆栽鉢に植えていると、どうしても根が伸び枝葉が伸びて鉢が手狭になります。3年から4年が植え替え作業の目安です。用土は植え付けと同じように赤玉土と桐生砂を7:3で用意するか、黒松用の配合用土を用意しましょう。時期は4月から5月上旬が目安ですが、新芽が伸びる前に行った方が良いでしょう。

芽摘みと芽切りをきちんとしておけば、あとは強い性質を持つ樹種なので良く育ちます。徐々に育て慣れてくるとその他の作業にも余裕をもって取り組むことができるようになります。

子供のころに作ったどろだんごにどこか似ている苔玉。この緑の玉ひとつでいろいろな植物を育てることができ、「苔盆栽」としてもしっかりとした地位を築きつつあります。しっとりとした手触りと丸さが癒しポイントです。海外でも「モスボール」と呼ばれて楽しまれるようになってきました。ここにモミジなどの樹木を植えても良いですし、草もの盆栽に数えられる山野草やシダ類・小菊などを植えこめば楽しみの幅も広がります。ステキな焼き物のお皿などに乗せて窓辺に置いて楽しみましょう。

苔玉の材料

・ハイゴケ(這苔):水苔で作る方法もありますが、青々ふっくらが苔盆栽の味なのでハイゴケをおすすめします。

・用土:ピートモス単用か、小粒赤玉土3:ピートモス7ぐらいで混ぜて水を加えて湿らせます。ケト土を使う方法が一般的ですが、土が湿っている時は形を作りやすいものの乾燥が始まるとボロボロとこぼれて室内だと悲惨な状態になります。乾燥して吸水しにくくなるのでまずはピートモス、慣れてきたらいろいろな土の配合に挑戦してみてください。

・木綿の糸:苔が安定するまで使用するので、自然素材のものにしましょう。

手順

1.ハイゴケを裏返しにしてゴミなどをくまなく取り除きます。茶色に変色している時は枯れています。層になっているので変色している厚みをハサミで切り取ります。乾いているようなら霧吹きで水をかけておいた方が作業がしやすいです。

2.水を加えて湿らせた用土をおにぎりを作るように丸めます。手の大きさに合わせて、丸めやすい程度のの大きさにしましょう。直径8センチぐらいまでが一番丸めやすいですね。植物を入れられる程度の穴を上方に作っておきます。

3.植えこむ植物の根をあけておいた穴にはめ込みます。根鉢は崩さずにちょっと手で縁の方を丸めて入れてやりましょう。ちょっと穴が大きい場合は用土を少しずつ穴の中に足してやりましょう。

4.いよいよ苔を巻いていきます。ちょっとコツがいりますが、苔が重ならず隙間もできずという巻き方がベストです。裏ワザとしてビニール袋を使う方法をご紹介します。ビニール袋を切って開き、その上にハイゴケを広げて縁に切り込みを入れておきます。中心に土の玉を置き、風呂敷で包むようにビニール袋で苔ごと包みます。その際切り込みと切り込みの間で必要のない苔はハサミで切り落とします。

5.糸を苔の上から巻き付けます。あまりきついとカチカチの堅い質感になりますが、糸が緩いと土からはがれてしまいます。ちょうど良い感じを見つけるのは難しいかもしれませんが、ここが頑張りポイントです。結んだ糸の先は苔玉の中にピンセットなどの先の細いもので押し込みます。

6.最後に苔玉全体を水で軽く洗ったら苔玉の完成です。
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苔玉の管理ポイント

苔は日陰を好むと言っても、過湿ではカビが生えたり枯れてしまいます。水不足でも枯れますが、中に植えこんだ植物はもっと水不足の心配があるのです。苔だけが水を吸収して中の用土には水が届かないことが原因です。苔玉を作り終えた時の重さをよく覚えておき、それよりも軽くなっていたら水がなくなってきたタイミングです。上から水をかけるよりも、洗面器に水をためて苔玉ごと浸けることで水やり問題は解決します。浸けて気泡が出なくなれば水やり完了、あとは2日に1回程度苔に霧吹きで水をかけます。

肥料は液体肥料を規定量の2倍ぐらいに薄めて2週間に1回程度与えるようにします。

苔玉に向く植物の種類は?

初心者にはシダ類や白い小花が可愛いユキノシタがおすすめです。慣れてきたらぜひやってみたいのはモミジで、モミジを苔玉に仕立てるとぐっと雰囲気が出ます。草ものに数えられる大文字草やフクジュソウも開花すると喜びが2倍ですし、管理しやすいのは笹類が手軽です。変わり種ならハエトリグサなども不思議な雰囲気が出せます。

苔玉キットという便利なものが市販されていますし、植物は100円均一で手に入れることもできます。手軽にできてステキなインテリアにもなる苔玉で癒されてみませんか?

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