桜の盆栽を育てる:基本の作業

盆栽手入れ

誰もが見上げたことのある日本の春の花サクラはバラ科サクラ属の落葉高木です。春の盆栽と言えば一番初めに思い浮かべるでしょう。盆栽にするには一才桜が一番手ごろで育てやすい樹種です。コンパクトな樹高でも大きな花を咲かせる手ごろな品種の代表です。他には選定に強い富士桜、開花すると滝のように咲く枝垂桜も人気の樹種です。一見サクラとは思えないような小さく赤い花をつける寒緋桜も雰囲気が違います。秋咲の十月桜もちょっと変わり種です。

桜と言えばソメイヨシノですが、これも江戸時代ごろに品種改良されたものです。日本人は古来からずっと桜を愛でながら暮らしてきたことがよくわかります。

目次

桜の盆栽に適した置き場所

年間通して日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。半日陰でも育つ強い性質はありますが、やはり盆栽鉢に植えこむため日当たりを良くしたほうが生育は良くなります。夏は強すぎる西日を避け、冬は完封や霜を避けられるように移動しましょう。室内で観賞する場合は3日を限度で外の日差しに当ててやるようにします。

水やりの仕方

水やりの量と比例するように根が伸びるほど水を好みます。逆に水が多いと花が付きにくいという面もありますし、水切れすると回復するのに時間を要するちょっと気難しい桜です。目安として春と秋は1日1回から2回、夏場は1日2回、冬は2日から3日に1回ぐらいです。1日2回に増やす時期は7月下旬ぐらいからにした方が花芽の分化がしやすいでしょう。

水分の多すぎは根腐れの原因にもなるので、鉢底や周りに水がたまらないように注意します。土の表面が乾いてから水やりをするということが大切です。多すぎも少なすぎも元気がなくなる要因です。

桜盆栽の肥料

液体肥料ではなく油かすなどの有機性固形肥料を与えます。4月から6月・9月から11月の間に1回ずつで良いでしょう。梅雨時や真夏・休眠期の真冬は肥料を与えるとかえって樹の負担になるのでその時期を避けるようにします。

花がらを必ず摘む

花がら摘みは実をつけて樹勢やその後の花付きが悪くなるので必ず行うようにします。病気を防ぐことにもつながります。

桜盆栽の剪定

樹形を整えるための剪定は、2月から3月と11月から12月ごろが適しています。剪定で切り口から雑菌が入り枯れることもあるので、消毒済みなどの清潔なハサミを使用します。長く伸びた枝を花後に剪定をするなら5月ごろが向いています。元から3芽ぐらい残して剪定すると大きさも保つことができます。太い枝を切る場合は切り口に癒合剤を塗ります。

桜の剪定:注意点

切り口が地面から垂直になるように剪定しましょう。水が溜まって腐るのを避けるためです。防腐剤や癒合剤の代わりに木工用ボンドでも代用できます。

病害虫対策

新芽にアブラムシがついたりカイガラムシなども寄ってくることがあります。花後に殺虫剤などを散布すると防ぐことができます。春から秋にかけて3回から4回散布すると効果的です。

植え替え

2年から3年に1回の植え替えで、時期は9月が最適です。遅くても11月初旬までには済ませるようにしましょう。用土は小粒の赤玉土4:腐葉土3:黒土3が一般的です。桜盆栽用の配合済み用土を購入しても良いですね。

水やりの加減に注意することと、花がしおれたら花がら摘みをして樹の体力が落ちないように注意することで毎年美しい桜の花を自宅で観賞できると楽しみが増えますね。