春の新緑、秋の紅葉、冬の白い幹と一年を通して美しいもみじ。
季節ごとの手入れ方法や育て方について説明します。
目次
もみじ盆栽の水やりと追肥、夏と冬の越しかた
水は土が乾いたときに、たっぷりやるのが基本です。
もみじの葉は横に広がっているので、上からかけた水をはじいていることがあります。
鉢土の上にちゃんと水が届いているのを確認してください。
施肥については、春から秋にかけて鉢の上に玉肥を置き毎月取り替えます。
窒素分は葉の彩りに必須な栄養成分ですので、新緑や紅葉のためにしっかりと与えましょう。
夏は葉焼け、冬は風や乾燥によって葉が傷みやすくなります。
盆栽の置き場所をよく考え、寒冷紗やヨシズでの日よけ対策をしておきましょう。
盆栽の植え替えともみじ用土、病害虫対策
1~2年に一度の植え替えが必要です。
赤玉土7川砂3の割合で混ぜた土を用意し、3月の中旬ごろに作業します。
もみじの美しさの一つは細かく繊細な枝です。
粒が揃った土を使えば根は均等に細かく育ち、根の分岐に合わせ、いい枝が伸びるようになります。
土は丁寧にふるっておくことがポイントです。
春に新芽が出始めるとアブラムシが発生するので、早めに薬剤を塗布し被害が広がらないように予防します。
気温が上がり蒸すような時期の前には、うどんこ病の予防も必要になってきます。
もみじ盆栽の芽摘みと葉切り作業
3~4月になったら木の全体を見て、葉の輪郭線から飛び出している芽を取りましょう。
ピンセットで新芽の先を割り、一番先端にある芽を摘みます。
芽摘み時期を守って作業すれば、節間の細く短いよい枝が作れます。
6月に入ると、葉が木全体を覆うように生えそろってきます。
ですが、葉の大きさがバラバラなので一度全部の葉を刈り取る作業が必要になってきます。
葉刈り後、2~3週間たつと2番芽が出揃うので、春におこなった芽摘みの作業をもう一度おこないましょう。
この葉刈りと芽摘み作業を丁寧にすることで、秋には綺麗な紅葉を楽しむことができます。
もみじ盆栽の剪定と針金かけ作業
作業に適した時期は、落葉後の11月~2月です。
もみじ盆栽は節の間が短い枝を大切にし、枝先は二股に残すのが基本です。
間延びした徒長枝は1~2節残し切ってしまいます。
こぶのない枝作りのため、切るのは節のすぐ上ではなくその先の節の下で切り、枝が枯れた後に折るといいです。
木に勢いがあり全体のバランスを崩しやすいので、葉が落ちたこの時期によく観察し、樹形をどのように作り込んでいくのか考えましょう。
剪定作業が終わったら針金をかけます。
幹や枝に傷をつけたくないので柔らかいアルミ線を使用することをおすすめします。
枝は若い枝と違って硬くなっていますので曲げるときは慎重におこなってください。
真っすぐに伸びてしまった枝は、風にそよぐ様子をイメージしながら曲げていき、枝先を少し上向きにすると風情ある仕上がりになります。
切りたくない枝も針金で形や方向を変えていくことで、修正することが可能になります。
枝が多いので手間はかかりますが、この作業に時間をかけることで、いいもみじ盆栽になっていきます。
もみじの繁殖方法
種は葉の先にあるブーメラン状の実の中に入っています。
秋になると枝先からヒラヒラと降ってくるので、拾っておくといいです。
乾燥を避け保存しておき、3月にまくと簡単に発芽するので苗作りが体験できます。
20~30本の小さい苗をまとめて寄せ植えにし、雑木林を思わせるような盆栽を作るのもいいでしょう。