盆栽 もみじ種類、葉の形などで趣が変わる

盆栽手入れ

目次

盆栽樹種として人気のもみじ

もみじは、イロハモミジ、オオモミジ、ヤマモミジといったものに大きく分けられます。葉の大きさでは、イロハモミジが長さ6㎝未満と小さく、ヤマモミジとオオモミジは長さ6㎝以上でほぼ同じ大きさとされます。オオモミジは、葉が大きく、裂片が細かく整った単きょ歯と重きょ歯が混ざっています。イロハモミジとヤマモミジは不揃いな重きょ歯となっています。ヤマモミジは、主に日本海側に分布しています。現在、この3種から多くの園芸品種が作られ、正確な区別は難しくなっています。出猩々や紅千鳥などはヤマモミジ系統となり、千染などはイロハモミジ系統になります。この盆栽のもみじの種類について説明していきます。

新芽が赤いもみじ

「出猩々」は春の新芽が真っ赤で美しく、夏には緑に変わります。初秋には全体が暗黄緑色に紅色が混じり、晩秋には濃い赤橙色から赤紅色に紅葉します。成長が早く、節間が伸びやすいのですが、盆栽に良く仕立てられます。春もみじと呼ばれる代表的な品種として知られています。「千染」は、出猩々よりやや黄色み帯びます。イロハモミジ系なので出猩々に比べ、葉が小さく枝が横に張るので盆栽に適している品種です。「紅セイガイ」は、葉の切れ込みが深いのが特徴です。「清玄」は、出猩々とほぼ同じで区別がつきにくいとされます。出猩々より枝先がやや太く、節間も伸びにくいとされています。これらが盆栽として仕立てられています。

斑入りのもみじと赤の縁取りのもみじ

「黄金板屋楓」は、葉脈が浮き出て葉の出始めは緑で、葉が大きくなるにつれて黄色くなります。夏は緑が強くなり、葉が大きい割に節間は詰まってきます。紅葉よりも春の5月頃がかなり美しくなります。「綾姫」は、琴姫と同じ極矮性のもみじです。春の芽出しの色は千染に似ていて、秋の紅葉は美しくなります。「鴫立沢」は、葉緑素が少なく薄緑になり、秋に黄葉します。その他、「紅鴫立沢」「鶴の舞」「胡蝶の舞」「五月紅」「アリアドーネ」「笠置山」などが盆栽に仕立てられています。
新芽が黄色に赤の縁取りのもみじでは、次のようなものがあります。「桂」は、黄色に葉の渕が赤くなるもみじで、有名な品種です。「珊瑚閣」は枝が赤く美しく、黄色に葉の渕が赤くなります。新芽の頃はかなりきれいで、イロハモミジ系なので葉が小さく盆栽に向いています。その他「オレンジドーム」などが盆栽として仕立てられています。

春もみじ以外のもの

「獅子頭」は、葉の緑が濃く、ちじれているのが特徴です。他のもみじに比べ節間が詰まっているので、盆栽として人気があり、秋の紅葉はとても美しいとされます。「日傘」は、山桃色の斑入りの新芽が出ます。遠めに見るとかなりきれいですが、近くで見ると好みが分かれるとされます。節間は比較的詰まっています。「青しだれ・赤しだれ」は、葉の切れ込みが深く、枝がややしだれています。涼しげな感じがあり、節間が長いので盆栽にはあまり適していないようです。

秋が満喫できる盆栽もみじ

盆栽愛好家のもみじの品種選びのポイントは、夏は緑豊かで爽やかな印象を与え、秋に紅葉し季節感をもたらすものとされています。一般にもみじと言えばイロハモミジを指しているようです。イロハモミジの名前の由来は、この裂片を「イロハニホヘト」と数えたことに由来しそこから名付けられたと言われています。もみじは園芸品種が数多く、出猩々や紅千鳥などのヤマモミジ系統と千染などのイロハモミジ系統が主流です。「山もみじ(ヤマモミジ)」は、良く聞く名称ですが品種名ではありません。山野に自生するもみじで個体差が結構ありますが、盆栽で最も多く栽培されています。盆栽で山もみじとして栽培されているもののかなりがイロハモミジと思われます。もみじは丈夫で育てやすく、いろいろな樹形にすることができ、幹も太くなるのが早いので、盆栽が手軽に満喫できます。初心者が最初に携わる樹種としては最適ではないでしょうか。