室内で花見ができる

桜は季節感の象徴とされ、日本人の心に染み入る樹木です。桜の生育力が旺盛で花もよく咲きます。春に楽しみたい花もの盆栽で、人気の高いのが桜盆栽です。小まめなお手入れを要しますが、華やかさが楽しめる盆栽の一つです。一般的に、桜は古木に花をつけるため、盆栽には向かないですが、種類によっては盆栽として楽しむことが出来ます。葉が小ぶりな富士桜、比較的病害虫に強い山桜や寒桜などが古くから盆栽として楽しまれています。桜の花が開くのは春ですが、年間を通して桜の木の生育や、成長を間近で見ることができるのも桜盆栽の魅力です。お手入れは意外に難しくなく、基本的には日々の水やりと定期的な肥料やりができれば、誰でも育てられます。盆栽であれば花を間近かで愛でることもでき、室内に飾ってお花見を楽しむこともできます。この桜盆栽について説明します。

盆栽に適した桜の種類

桜盆栽にはいくつか種類がありますが、中でも一番人気なのが一才桜とされています。ピンク色の桜の花がとても可愛と多くの愛好家が支持しています。小ぶりですが、それゆえに桜の花の美しさや花の吹き方の美しさが際立ちます。八重桜は、花弁が多いので、小さめの桜盆栽でも充分に印象的な盆栽になります。八重桜の盆栽を居間に飾れば、室内がパッと明るくなるとされます。しだれ桜も比較的扱いやすい桜として知られています。また、おかめ桜は、他の桜に比べて、ひと足先に濃い目のピンクの花が咲き、盆栽鉢を彩ります。慣れてくると桜の木のみならず、苔との絶妙なバランスも試したくなるようです。

置き場所について

鑑賞は室内でも可能ですが、年間を通して日当りが良く風通しの良い屋外が理想とされます。夏は日差しが強い西日を避け、どうしても西日が当たる場所しかない場合は、50%の遮光ネットなどを使用します。コンクリートや石の上は照り返しの熱や寒さが木に直に伝わらないように木製の台や板の上に置きます。また風通しが悪いと病害虫や樹の生育に影響するので、できるだけ高い位置に置きます。冬は風が当たらず、霜や雪が降りない軒下に移します。屋内で育てる場合は、日当りの良い窓際が良いと言えます。夏は3日、冬は1週間程度は屋外に置き、1日4~5時間は日光を当てます。

栽培の基本は水やり

桜は根の生育が早く水を好みますが、花が咲きにくくなる原因にもなるので、水をやり過ぎないように注意します。春は1日に1回程度水やりをします。夏は1日に2回を水をやり、秋は1日に1回水やりをします。冬は2~3日に1回を目安に水やりをします。水をやり過ぎると、土が湿り根が腐ってしまう可能性があります。水やりは土の表面を湿らす程度で充分です。また冬は特に、土の表面が乾いてきたら水やりをするようにします。大事なのことは、定期的に水やりをすることです。盆栽を枯らしてしまう人の半数は、水やりを怠っています。

肥料と剪定について

肥料は、桜の花が咲き終わった頃と9~11月にあげます。固形肥料を置くだけで簡単です。真夏や真冬は盆栽の生育が止まっている時期なので、肥料を与えると植物に負担がかかってしまいます。この時期には、肥料は与えないよう注意します。剪定の準備としては、花が咲いた後に徐々に花が少し萎れてくるので、まずそれを取り除きます。花を取り除いたら剪定に入ります。花が萎れてくる頃には「葉芽」が出てきますので、その少し上の部分を剪定鋏でカットします。葉芽が出ていればどこをカットしても問題ないのですが、全体のバランスを見ながら形を整えます。

桜盆栽の用途

この手塩にかけて育てた桜盆栽ですが、その用途も様々となります。リビングなどに置けば、家族が寛ぐ場所で季節を愛でることができます。花見の名所に行かずとも、酒や食事がうまくなることは間違いありません。自分の部屋に置けば、自分だけのお花見が楽しむことができます。玄関におけば、お客様のお迎えする際に、おもてなしとして最適になるはずです。お手洗いに置くと、ほっと心を和ませてくれる桜盆栽。また、自宅用だけでなく、プレゼントにも喜ばれます。桜盆栽を大切な人にプレゼントする程、粋なことはないでしょう。毎年、桜を咲かせる醍醐味が味わえる盆栽と言えます。

挿し木にも一長一短がある

盆栽の作り方としては、主に実生、挿木、接木、取木の4つの方法があります。実生はタネをまいて発芽させてそこから木へと育てるものです。挿し木は、今ある盆栽の枝をカットしてそれを土に挿して根を生やさせ、そこから樹に育てるものです。タネを発芽させるのが難しい実生と違い、木によっては比較的簡単に育てられますが、時間はかかります。接木は、複数の樹を引っ掛けて一つの樹にする方法です。成長の遅い五葉松に成長の早い黒松を接木すると成長の早い五葉松になります。取木は、一つの盆栽から複数の盆栽を作るものです。盆栽を作る方法としてはこれが一番スピードが早いと言えます。それぞれ特色があるので、樹種に合った作り方を選びます。この4つの中にある挿し木について説明していきます。

挿し木で増やす樹種とその準備

挿し木に適しているものは、サツキ、寒グミ、老爺柿、つる梅もどき、ツバキ、梅もどき、橘もどき、メギ、ガマズミ、クマヤナギ、ノイバラ、ムラサキシキブ、ユスラウメ、クコ、ウグイスカグラ、カマツカ、イボタノキ、ミザクロ、ニワウメ、白シタン、紅シタン・アセビなどです。また、実生に適しているものは、ピラカンサス、おきな柿、キンズ、マユミ、カリンなどとなります。挿し木の準備として、挿し床は、土を安定させるために1ヵ月前から作っておきます。これは、素焼き10号の浅鉢か小さめのプランターを使用します。水(バケツ)、ナイフ、剪定鋏、竹ばし等を作業前に用意します。挿し穂の入手では、次のようなものが良いとされています。実成りのよい木、若い木、南に面した枝、1から2年枝、節間が狭い充実した枝となります。挿し穂の作り方は、樹種によって異なりますが、一般的には、元気な枝の頂点から3節芽の下、5mmほどで切ります。作業は挿し穂が乾燥しないよう日影で行います。3節芽の葉を柄を残して取ります。両側にあれば、両側共葉を取ります節は芽と考え、芽はあってもまだ葉が伸びてないものも1つと数えます。また片側にしか芽がないものも1つと数えます。

挿し木の時期とその方法

3月初旬~4月初旬では、落葉樹の昨年の枝でまだ葉が出てない挿し穂が適しています。梅雨期では、常緑樹の挿し穂、落葉樹は今年の芽が伸び、葉も出て枝として固まった挿し穂が適しています。挿し木の場合、葉の役割は根を作る事になりますが、挿し木穂の葉の枚数が多過ぎると、葉からの蒸散作用が多くなり失敗します。挿し木は、新梢の成長が一時止まる時期の温度や湿度が適しますが、挿し木が付きやすいものはいつでも付きます。挿し木の方法には、枝ざし、葉ざし、根ざしなどがありますが、初心者には枝ざしが一般的です。

挿し方とその後の管理

挿し木の床に、枝より少し細い棒で斜めに穴を開けておいて枝を挿します。枝の半分以上が挿さっていれば充分です。挿し終えたら、水をたっぷりやり、風通しの良い日陰に置きます。日陰がなければ、日除けネットやヨシズなどで日除けを作ります。根が出たか見たくなりますが、抜いたり動かしたりせず、乾燥させないように注意します。2週間ほどしたら、通常の盆栽管理の方法で根が出るのを待ちます。翌年、新しい葉が出てきたら挿し木は成功となります。

挿し木に盆栽の魅力が凝縮

挿し木は、盆栽を一から始めるにあたって、最初の作業と言えます。挿し木は、時期や方法がそれぞれの樹種にあるので面倒な面もありますが、ここから育てていくと味わいもひとしおのものとなります。挿し木で良く作られるのが「つる梅もどき」で、初夏に小さな花を咲かせ、夏には実が膨らみ、秋は黄色に色づきます。晩秋になると黄色い皮が剥けて朱色の種が顔を出します。季節の移り変わりを楽しめますが、こちらは雄木と雌木があって、実がなるのは雌木だけとなります。そこで、挿し木では雌木のクローンを作ることになります。ちょっと難しそうな気もしますが、動画や本で盛んに説明していますので、初心者の方が挿し木から始めるのでしたら、「つる梅もどき」あたりが最適ではないでしょうか。盆栽の魅力が一気に高まるはずです。