早春に香る花の代名詞である梅はお正月の寄せ植えで見かけます。梅園などでは節分ごろに咲くことが多いですが、その開花時期をお正月に早めるコツが12月の作業にあります。上手に育てて開花時期を来年のお正月に合わせて、自分で育てた梅の盆栽で1年をスタートさせてみませんか?

2月から3月:花後の剪定

枝を手で揺らしたり花に指で触れただけで花が落ちたら剪定の時期です。花がらを手で落としてみると葉芽が出ているのが見えます。見えたら2節から3節残して切りましょう。葉芽をきちんと残すということが大切で、強い剪定に強い梅も芽が残っていなければ枝が出ないこともあります。見た目サイズでは2回りぐらい小さくなってもまだまっだ枝がどんどん伸びるので「ちょっと小さいかな?」というぐらいでも樹高維持できますよ。葉が出る前までに作業を終えましょう。

3月:春の植え替え

芽が動き始めるころまでに植え替え作業をします。古い土を取って根捌きもしましょう。主に切る根は「長い・太い・方向が変」です。植え替えのたびにこうした根を取り除いてやることで樹形のバランスが取れるのです。もしこの時期になっても花が終わらないようなら、植え替えは秋に行いましょう。良く成長するので細い根が伸びやすい梅は、根詰まりを防ぐためにも毎年か2年に1回は植え替えましょう。初心者さん向け用土は鹿沼土小粒の単用です。

4月:芽摘み

小品盆栽やミニ盆栽・苔玉などにしたい時には特に枝が短めの方が見た目もたっているバランスも良いでしょう。新しい枝先に葉芽が付くので、その葉芽が「芽」であるうちに付いた部分を指やハサミで摘み切ります。強い性質の新芽なので、摘み切っておかないとどんどん枝を伸ばして樹形が荒れます。

4月から:施肥開始

有機肥料なら梅雨と真夏・真冬を避けた年3回程度置き肥しましょう。室内で観賞したいという樹なら、無臭でカビや虫が付きにくい液体肥料をおすすめします。春の肥料は特に重要で、この時期にきちんと与えないと樹の生育に問題が出ます。

5月から6月:剪定

花の後に樹冠から枝が伸びているので、新芽の葉を2枚残して切りましょう。花後の剪定をしたあとの生育状況によっては結構な速度で枝が伸びてきます。伸ばすと花芽が付きにくくなるので、この時期に気づいたら2度目の剪定をします。

6月:葉刈り

芽や葉についての作業が多い梅盆栽。6月には枝元に近い葉を葉柄(葉が枝につく軸ですね)の部分だけ残すように葉刈りします。これは花が多すぎるという時にだけする作業なので、あまりすることはないかもしれませんね。

7月から:夏越し

特に作業ではありませんが、真夏の西日は葉焼けします。あまり強すぎる直射日光が長時間当たらないような場所や半日陰に8月いっぱいぐらいまで移動してやると良いでしょう。暑い時期は肥料も与えない方が良いので、水の管理だけは気を付けるようにしてください。

10月から11月:開花前の剪定と植え替え

花芽(ふっくらと丸い)と葉芽(とがって固い)を見分けてからの剪定です。開花前なので花芽を落として春にはがっかり、なんてことにならないように気をつけましょうね。よく観察していたら花芽と葉芽の区別はつくようになります。花芽がたくさん出ていても、樹形が乱れていると台無しなのでちょっと姿を整えてやりましょう。花が咲き始めてから剪定すると好みの形に作りやすく思えますが、樹には負担になるのでこの時期までに剪定を済ませます

春の植え替え時に花がまだついていたなど、植え替え時期を逃していたら10月から11月初旬ぐらいまでに作業しましょう。

12月:開花調整が梅盆栽最大のポイント

梅の花をお正月に見たい、いやいやちょっと寒さが緩むころに見たいなど希望があかもしれません。開花調整と言われる作業をちょっとしてやると、梅は花が咲くタイミングをずらしてくれます。

少し早めに咲かせたい

12月中旬あたりから寒さに当てます。毎日2回から3回程度、室外でつぼみに霧吹きをします。だいぶ寒そうだと思いますが、この寒に当てるということが最大の理由です。毎日霧吹きをしながら少なくとも2回程度は外で霜に当ててから室内に入れてやりましょう。この寒暖差を利用して開花時期を早めます。急に温かくなったと感じた梅は一気に開花準備に取り掛かります。

お正月に咲かせるには?

外での霧吹きや霜にあてたら、あとは取り込むタイミングです。クリスマスが一番お正月に開花をぶつけるタイミングとしては良いでしょう。取り込んだら暖房のある部屋やガラス越しの陽だまりになる場所に置きましょう。そうするとお正月に花が咲く確率がぐんと上がります。室内は乾燥するので水切れさせないように注意してくださいね。

花の時期を少し遅らせる

早めるパターンとは逆です。寒くても外に出したままにして、樹全体に霧吹きで水をかけておきます。水やりのたびに毎回やりましょう。そうすることで「まだ寒すぎる」と梅自信が感じてつぼみを緩めることがありせん。また霧吹きで湿度を与えることで蕾が落ちづらくなるため花もち良い春を迎えられます。

梅は花もの盆栽の代表!

盆栽には針葉樹類である松柏類や、紅葉を楽しめる広葉樹の雑木類といったジャンルがあります。そして「花もの」と呼ばれる盆栽は、その名の通り花の観賞を楽しむことを1番の目的としたジャンルです。葉姿を楽しみながらも、鮮やかな色彩を誇る開花シーズンも楽しめることから、盆栽初心者から熟練者まで幅広く親しまれています。

そんな花もの盆栽の中でも、日本らしい美を表現する代表的な樹種と言えば「梅」ではないでしょうか。春の訪れとともに花を咲かせる梅の木は、気品漂う姿からかぐわしい香りを放つのが特徴的です。比較的丈夫な性質をしていることから、初心者でも育てやすい花もの盆栽といわれています。

ここでは梅盆栽を始めるときに知っておきたい、日常管理のポイントや美しい姿を保つためのポイントについて解説していきます。

梅盆栽の育て方:置き場所について

梅は、暑さや寒さにも強い樹種です。春から秋にかけては、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。冬になったら鉢の中が凍らないよう、霜よけを用意して日当たりの良い場所に置くようにしましょう。陽だまりができて、なおかつ西北側に風よけとなる建物や生け垣がある場所が最も理想的です。

正月など、新年を迎えたばかりの時期は梅盆栽を室内に運んでじっくり観賞したいという人も少なくありません。こうした場合には、花後すぐにいつもの置き場所に戻すようにしましょう。戻すタイミングが遅れてしまうと芽が動き出してしまうことがあります。

梅盆栽の育て方:日常管理ついて

梅盆栽は水やりが大好きです。水は鉢土の表面が乾き、白くなったらそのたびに十分あげましょう。中でも蕾がつき始めて開花を待つ時期は、念入りな水入りを心がけてください。

肥料は、3月~10月の梅雨期と真夏を除く時期は月に1回あげましょう。肥料の種類は、油かすのような有機肥料や液肥が適しています。春は大目にあげる一方で、涼しくなって秋を迎えるころには肥料の量を減らすようにしてください。

植え替えは2月中旬~3月までに行うのが最適とされています。若木は毎年植え替え、成木は2~3年に1回の頻度で植え替えるようにしましょう。また、植え替える時期に開花を迎えてしまった場合は、花後に植え替えるようにしてください。

梅盆栽の育て方:美しい姿を保つコツ

梅は枝の伸びが早いです。花の見ごろを終えたら早めには芽の上で剪定し、姿を整えるようにしましょう。新しい梢は、葉が落ちるまで伸ばしていても美しいですが、伸ばしたくない場合は、芽の先端を摘んでおくと良いです。また、美しさを保つためには不定芽をこまめにかき取るようにしましょう。不定芽とは、通常芽が出る茎の先端や葉腋意外から出てくる芽のことです。梅は不定芽が出やすく、とくに枝元から出てくる傾向があります。

さらに梅盆栽は病害虫が発生しやすいので、十分注意しましょう。梅盆栽に出てくる主な病害虫には、アブラムシやウメクンガなどがいます。とくにウメクンガによる被害は大きく、蕾や芽を食べつくしてしまう、梅盆栽の強敵です。4月~10月の間は、月に1回薬剤散布をするようにしましょう。また冬に石灰硫黄合剤の20倍液を散布するのも効果的です。このほか梅雨時には、葉に斑点ができる黒星病にも注意しましょう。落ちた葉をこまめに駆除すれば、病原菌の発生を抑えることができます。