桜盆栽の望ましい育て方と管理方法

盆栽の用語

春に一斉に花を咲かせ、一気に散りゆく姿も美しい桜の盆栽。
毎年花を見るための育て方について学んでいきます。

目次

桜盆栽の日常の水やりと追肥と病害虫

鉢に張った根が水を吸ってから、大きい葉より蒸散するまでのサイクルが早いので水切れに注意しましょう。
一方で、水のやり過ぎは花がつかなくなることの要因になるので調整が大事です。

肥料は4月~10月に毎月1度、玉肥を鉢土の上に置きます。
5号鉢のサイズで玉肥の数は2~3個、幹の根元ではなく土の中で根の先がある辺り、鉢の縁内側付近に置きましょう。
真夏は木に負担がかかりやすいので玉肥を取り除き、代わりに時々液肥を与えます。

春には新芽を狙ってアブラムシが多く発生しますので、早めに処置します。
カイガラムシが幹についたらブラシでこすり落とすのが一番ですが、冬場、前もって石灰硫黄合剤の10倍液をかけておくと効果的です。

根頭がん腫病は、根の先にできたこぶが徐々に肥大し木を弱らせる病気です。
植え替えの度に新しい土を使うことで予防できますので、作業のときには毎回使っていた古い土は捨て、すべて新しい土に交換します。

桜盆栽の植え替えと剪定方法

桜は根の勢いが旺盛ですぐに鉢の中でいっぱいになりますので、植え替えは毎年おこなうことが理想です。
適期は霜が降りなくなった3月下旬。
細い根を出させるために長く育った根を切るのですが、切り傷から傷むといけないので、2年越しで切りつめるくらいが丁度いいです。

赤玉土5と川砂3に腐葉土を2の割合で配合した土を使って植え替えましょう。

落葉後の10月ごろは葉芽と花芽の区別がつきやすい時期なので、剪定にピッタリです。
花芽は葉芽に比べると大きく、日の光を受け健やかに育った短い枝につくので、長く伸びた枝は3つの葉芽を残し切ってしまいましょう。

長い枝に花芽と葉芽が同時につくことがあります。
その場合は、根元近くにあるすべての花芽と、その花芽の先にある葉芽を1つだけ残して切り落とします。

枝元から余分に伸びる腋枝や、立ち枝と呼ばれる上方向に真っすぐに伸びる強い枝、枝針金での矯正が難しい逆枝といった不要な枝を切り、全体のバランスを考えながら剪定していきます。

桜は切り口から傷むことの多い木です。
必ず消毒したハサミを使用し、切り口には癒合剤を塗り保護することが大切です。

桜盆栽の針金かけ

枝が大きく伸びた6月は針金をかけるのにいい時期です。
正面、側面方向から見てもバランスがとれるように、時間をかけながらイメージした曲を慎重につけていきます。

真っすぐな枝はやや下げ気味に外へ引き出す形にすると、綺麗に仕上がります。
また、桜の花は枝の花芽から花梗を伸ばし、横や下を向くようにして花を咲かせます。
ですから、針金は枝から花が垂れるように咲く姿を考慮しながらかけることが、大切になってきます。

桜の木の繁殖

新しく伸びた枝先を使って挿し木ができます。
新梢の枝先から3節あたりで切り、6月ごろに土に植えて大きく育てるのです。

大き目の平鉢に4ミリ以下の赤玉土を用意し、これを挿し床にします。
大きな葉からの水の蒸発を抑えるため、葉は2枚ほどにし葉自体も1/2の大きさに切ります。
水揚げをよくするために枝先は斜めに切り、第1節まで土の中に入るように植えつけるのがコツです。

このときも使用するハサミの消毒を忘れないようにしましょう。