常緑の盆栽の特徴やおすすめの4樹種

若々しい葉芽や紅葉を楽しむ木があれば、1年を通して緑の葉の色を保ち続ける木もあります。
そのような常緑を特徴とした盆栽について学びます。

目次

常緑盆栽の種類について

通年して緑色の葉を楽しみたいのであれば、盆栽に常緑樹を選びましょう。
ゴヨウマツ、クロマツ、アカマツ、トショウなどの松柏類が代表樹種ですが、クチナシ、チリメンカズラなども挙げられます。

とくに松柏類は強い性質のものが多く、枯れにくく長寿命です。
枝に粘りがあるので様々な樹形に仕立てることもできる盆栽向きの樹種といえます。
青々とした葉の色と年月を経たような幹肌がお互いのよさを際立たせ風格ある盆栽となるのも人気の秘密です。

シンパクをつかった常緑盆栽

ヒノキ科の常緑高木樹種で、別にミヤマビャクシンの名がついています。
日本列島各地の高山や海岸に多く自生し、くねくねとした幹が特徴的で、広がる枝に細かい葉をたくさんつけます。
うろこ状のものが長く連なっている葉と、先の尖った針型の葉が混ざり合って枝についていて、糸魚川シンパクはとくに葉性がよく愛好家が多いです。
松柏類なので水はけのいい土を好みますが、土が乾ききったあとは鉢の底から水があふれ出るほどたっぷり水やりをすることが大事です。
強い樹種ですので夏や冬に大げさな作業は必要ありませんが、乾燥させすぎたときは、葉水を与え早い回復を促しましょう。
肥料を与えるのは生長期がふさわしく、油粕で作った玉肥を鉢上のへりに置くといいでしょう。

スギをつかった常緑盆栽

全国各地で多く見られる木で常緑高木に種別されています。
マスギが多く盆栽になっていますが、八つ房性のものは枝や葉が細かいので人気があります。
直幹、斜幹、双幹、寄せ植え、根連なり、株立ちなど様々な樹形に仕立てることが可能ですが、真っすぐに伸びる古い木を思わせるような直幹作りの盆栽が多いです。
長い時間をかけて育てていくと幹肌が強張り、樹皮が縦にはがれて木の味わいを深めます。
水を好む木なので乾燥しないように注意し、土が乾き始めたころ十分に水を与えましょう。

ツバキをつかった常緑盆栽

冬から春にぱっと花を咲かせ、盆栽棚を華やかにしてくれるツバキはぜひとも手に入れておきたい樹種です。
ツヤのある濃い緑の葉が美しく、丈夫な木なので初心者にも扱いやすいです。
カンツバキ、ヤブツバキ、ワビスケ、ウラクツバキ、肥後ツバキなど多彩な品種があり、模様木、直幹、斜幹、半懸崖いった様々な樹形に仕立てられています。
とくに一重の中輪種を文人木樹形にした盆栽は風情があり人気も高いです。
実から芽が出やすく挿し木の発根率も高いので、たくさん増やして寄せ植えを楽しむこともできます。

カングミをつかった常緑盆栽

グミの仲間には落葉するものと常緑のものと2種ありますが、カングミは一年中緑を鑑賞できる木として好んで盆栽にされることが多いです。
丈夫な木なので小さめの盆栽鉢の中でもしっかりと育ち、小さい花は香りがよく赤く色づく実は食べることもできます。
水やりは鉢土が乾いたらたっぷりとやり、日当たりのよい場所で育てていくと実をたくさんつけるようになります。
肥料はあまり必要ではありません。
花が開いてから実がつくまで肥料は与えず、結実してから適宜施肥します。
実の中にある種や新枝を切って土に埋めるとよく発根しますので、苗作りをして様々な樹形に育ててみてはいかがでしょうか。