桜の柔らかい葉や芽に寄ってくる虫に効果のある薬や対処法を学びます。
目次
桜盆栽につく6つの虫の特徴と対策
・カイガラムシ
枝や葉脈に貝がらやロウのようなカラを被った小さいものを見つけたら、それがカイガラムシです。
成虫になると駆除が難しくなってきますので、見つけしだいこそげ落とし薬を散布しましょう。
カイガラムシには様々な種類がありますので、殺虫にはいろいろな薬を試してみることが重要です。
・アブラムシ
春先に大量に頻発し、出てきたばかりの芽や葉を吸汁します。
アブラムシの排泄物が原因ですす病の発生も起きてくるので、見つけたらすぐに薬をまきます。
一度で完全に除去できればいいのですが、繁殖力が旺盛なのでその後も何度も出てきます。
定期的な薬剤散布で予防対策をしましょう。
・ハダニ
葉の裏に0.5mmほどの黒いものが多数ついていたらハダニです。
葉の養分を吸うのでダニ専用の薬剤を使いましょう。
・エダシャク
3cm程度の幼虫が葉や柔らかい枝を食べてしまうので見つけたら捕獲します。
・アメリカシロヒトリ
ガの一種で、葉に産みつけられた数百個のタマゴから孵化した幼虫が6~7月と8~9月にかけて年に2度大発生します。
幼虫は葉の上に白い巣をはり葉の養分を吸汁します。
大量発生により、たちまち木を弱らせるので早急な対処が必要です。
希釈したダイアジノン水和剤などを散布し、巣のあった葉は切り取り燃やして虫を根絶させましょう。
・ネマトーダ
土の中に住み、植物の根に寄生すると徐々に木を弱らせ最後には枯らせてしまう害虫です。
畑での被害が多く盆栽鉢におさまった木への影響はあまりありませんが、雨で泥土が木に跳ねたことがきっかけで害をこうむることがあります。
一度木に侵入すると駆除することは難しいので、盆栽の素材の購入は信頼のおける店を選ぶことが重要です。
木が弱まり根に不自然なこぶを見つけたときは、ネマトーダを疑って深めに切り取り焼却してしまうことをおすすめします。
鉢や土や使用した道具などのすべての消毒をおこなわないと被害が広がるばかりですので、こぶを発見したときは慎重に作業し害を最小限にとどめる努力をしましょう。
桜盆栽害虫の殺菌剤と殺虫剤
殺菌剤の予防散布には広範囲で使用可能なダイセンがおすすめです。
新緑のころから秋まで殺虫剤の使用の際は、このダイセンも一緒に使って予防すると害虫駆除の効果を高めることができます。
木が虫の被害を受ける前に薬で防ぐことで傷のないいい盆栽を作ることになります。
様々な薬剤を使い分けることに不安がある場合は、殺菌と殺虫を一度にできる混合剤が扱いやすいので販売店で探してみましょう。
桜盆栽に害虫を寄せ付けない工夫
殺菌剤や殺虫剤の塗布は害虫駆除には欠かせないものではありますが、薬剤を使わずにすむのならそれに越したことはありません。
水やりのときに木をよく観察するようにすると虫の早期発見になります。
週に何度かは、葉の裏や鉢の底をひっくり返して覗いてみましょう。
梅雨の時期は湿気が多いばかりか気温が一気に上がり、木は蒸れやすい状況になります。
風通しを最優先に考慮し葉が密集するようなら余計な葉は取り除き、鉢に雑草が生えたときは小まめに抜き取る作業が必要になってきます。
鉢と鉢の間は広めにとることはもちろん、雨が続き鉢内に水が溜まるようでしたら、鉢底に割りばしをかませ傾けて水を出す工夫もします。