盆栽につく害虫への万全な予防と必要な対策

盆栽につく害虫の予防対策を学習します。

目次

盆栽に発生する害虫の種類と対策

・アカダニ
サツキや松などの葉を黄色くするので殺ダニ剤で処理する。

・カミキリムシ
夏に出てきて葉を食い荒らします。
幹に穴を開けてタマゴを産みつけるので、木の根元に木くずを見つけたら注意しましょう。
スミチオンが高い効力を発揮します。

・ツツジグンバイムシ
3mmほどの虫がサツキやツツジについて葉を白くかすり状にさせてしまいます。
葉の裏に黒いフンを発見したら、この虫がついていると疑ってオルトランを葉裏に散布しましょう。

・シンクイムシ
様々な種類に分けられ、主に実や新しく伸びてきた枝を食害します。
葉の裏に産みつけられたタマゴを取り除かないと幼虫が実の中に侵入してくるので、見つけしだいカルホスで殺虫します。

・ナメクジ
夜間に活動を始め新芽などをあっという間に食害します。
鉢の底に隠れている場合が多いので、水やりのついでに鉢底を調べ見つけたらナメクジ用の薬で対処します。

・ハマキムシ
葉を巻き込みながら中にタマゴを産みつけ、孵化した幼虫が葉を食害しますので見つけたらすぐに対処します。

・ワタムシ
五葉松やエノキの新葉の裏に寄生して吸汁します。
薬剤を吹きつけ、綿を取りカルホス乳剤を塗布します。

薬剤の取り扱い方

殺虫剤や殺菌剤は強力な効果が出る薬なのですが、取り扱いに注意しないと人体にも悪い影響が出てしまいます。
霧吹きや噴霧器を使用する際は風の強い日は避けます。
素手での使用はせず、マスクをして衣類にもつかないよう気を配りましょう。

また使った道具は十分に洗って干しておかないと、後でサビつく原因になってしまいます。

薬を使用するうえでもっとも大切なことは希釈倍数を守ることです。
スポイトや計量カップを使い、木の状態に合わせた濃度にしてから塗布するようにします。

薬の効果を上げるには定期的に薬剤を変えるのがいいでしょう。
マラソン乳剤やカルホスなどいくつかの種類を購入しておき、毎回違うものを使うことで免疫がつくのを防ぐことができます。

盆栽の生長期の害虫予防と対策

芽が動き出す春先や湿気の多い梅雨の時期は、病害虫がもっとも発生するときです。
柔らかい葉や芽、蒸されて体力の落ちた木を狙ってアブラムシやカイガラムシが寄ってきます。
前もって殺虫剤と殺菌剤を混ぜ合わせたものを塗布しておき、虫は見つけしだい除去していきます。

イモムシは発見が遅れると一夜にして葉をすべて食べつくすこともあるため、水やりのときは木の変化に注視しながらおこないます。

鉢棚は湿気がこもらないように鉢同士の間隔は広く取り、枯れ葉や余計な枝はすぐに取り除いて絶えず木と木の間には風が通るようにしておきます。

盆栽の休眠期の害虫予防対策

冬は盆栽の休眠期です。

雑木盆栽ならば紅葉が終わり葉が落ちた後は、幹と枝だけの姿になります。
石灰硫黄合剤を塗布するチャンスですので、薬剤を30倍に薄めたものを霧吹きで木全体に拭きつけます。
石灰硫黄合剤はカイガラムシやアブラムシの防虫に高い効果を発揮します。

枝の間までまんべんなく塗布し、小さな盆栽については桶に希釈液を作り、そこへ鉢を逆さまにしてつけて(ドブ漬け)徹底した害虫予防をしましょう。

作業に最適なのは冬越しの準備を始めるころなので、雲の多い夕方を選んでおこないます。
薬剤を散布した後は完全に乾燥させて、木に薬を定着させることが肝心です。