盆栽の一年間の管理と世話のスケジュールについて季節ごとにまとめました。
目次
3月~5月の盆栽お手入れ
植え替え:
彼岸前後が一番の適期です。
花が終わったものから順番におこない、寒さに弱い樹種は5月まで待ちます。
施肥と水やり:
肥料は植え替えから1か月間は控え、3月に入って根が本格的に活動を始めたころから十分に与えます。
水も切らさないように注意します。
種まきと挿し木:
彼岸まで種をまくのが理想です。
水に一晩つけた種を苗床にまき、その後は水を切らさないようにして発根を促します。
挿し木も枝が芽を出す前の3月中におこないます。
病害虫対策:
4月にはアブラムシが増えてくるので早めの対策が必要です。
病気になってしまった葉を見つけたらすぐに刈り取り、病原菌を残さないよう焼いてしまいましょう。
芽摘みと針金かけ:
松や杉などは新芽を摘む時期ですので木全体の芽の長さが揃うように指で切り取ります。
新梢が伸びてきた雑木類盆栽の枝には針金をかけましょう。
新しい枝はやわらかいので思い切って曲をつけることができます。
6月~8月の盆栽お手入れ
針金かけ:
6月もまだ枝がやわらかいので樹形を作りやすいです。
巻いた後は木が大きく生長する時期に入るので針金が食い込まないように小まめにチェックします。
病害虫対策:
高温多湿になると虫が多く発生するので、風通しのよい場所に木を移し薬剤の散布をします。
泥土が跳ね上がって木につくようになると、ネマトーダというこぶを作り盆栽を弱らせる病気になるので地面から距離がある場所に鉢を移動させておきます。
挿し木:
この時期に新枝を切って土に挿すとよく発根するので、充実した挿し穂を選んで挿しましょう。
日よけと水やり:
梅雨明けは水不足になりやすいので水やりの回数を1日2回に増やします。
実がついているものは水不足になると実が落ちる原因になるので、気温が急に上がるような日は水盤に入れ鉢底から水が吸えるようにしておきます。
葉焼けを起こしやすくなるので、よしずを張って予防します。
芽摘みと枝すかし:
生長の時期ですので小まめな芽摘み作業をおこない無駄な枝を伸ばさないようにします。
梅雨に入る前には枯れ葉や花がらを早めに取り除き、病害虫の巣にならないようにしておきましょう。
9月~11月の盆栽お手入れ
施肥:
実が充実したり花芽がついたりする季節なので肥料を十分に与えます。
また、秋の肥料は木に力を蓄えさせ冬を越させる準備でもあります。
水やり:
暑さがやわらいだら1日1回の水やりにします。
また、台風が頻発する時期ですので防風対策をとっておくことが大切です。
採種と種まき:
松類は古い葉を取り除きます。
松、欅、もみじなどは種がとれる時期ですので種が散る前に木から直接採種しましょう。
保管しておき春にまくのもいいですが、とった種をそのまま苗床にまくのが一番発芽率が高いです。
12月~2月の盆栽お手入れ
乾燥防止:
防寒のため室内に入れた場合の盆栽は乾燥しやすいです。
葉水をしたり、時々は水をためた桶の中へ鉢をくぐらせたりする工夫が必要です。
ブクブクと水の中に鉢を沈め数秒したら引き上げます。
整姿:
落葉後は木の様子がよくわかるので剪定作業や針金を巻いて樹形を整えます。
病害虫対策:
カイガラムシがついていないか調べ、見つけたら直ちに石灰硫黄合剤を使って駆除しておきましょう。
水やりと施肥:
2月になると根が動き出すので乾燥したら水をやり、「芽だし肥」として肥料も与えます。