木は徐々に姿を変えながら生長していくので、ときには大きな改作も必要になってきます。
基本的な盆栽の作り変え方法について学びます。
目次
盆栽の角度を変化させるつくり変え
鉢から木を抜き出す植え替えの時期に合わせ、思い切って幹の角度が大胆に変わるような改作をしてみましょう。
平凡に見えた木でも、幹の角度を変化させることで崖から反り立つような緊張感漂う形になったり、根の立ち上がりが猛々しい様子に変わったりします。
実も花も落ちて幹と枝だけになった盆栽を改めて観察してみると、おもしろい曲を発見することがあります。
鉢の上で木を斜めにしたり表裏をひっくり返してみたりしましょう。
大きく角度を変えて植え替えた場合は、枝が伸びる方向を考慮しながら剪定していきます。
盆栽を切りつめたつくり変え
特徴のない素材は大きな剪定で変えていくこともおもしろいです。
幹の下の枝から上へ順番に観察していき、残す枝と不要な枝を決めて剪定してみます。
曲がある部分は大切にしたいのでなるべく残し、真っすぐになってしまって針金もきかないような枝は切ります。
枝の数を減らすことで木の全体像が分かり、幹や枝の流れから新しいイメージがわいてきます。
大切なのは現在の木の姿ではなく将来の姿を想像しながらの改作です。
直線的ではなく(直幹以外)、木の左右が不均衡である樹形を目指し、剪定して針金をかけていくといいでしょう。
木をコンパクトにした場合は鉢も合わせて小さくしていく必要があります。
盆栽の流れを変えるつくり変え
一心に木だけを見つめ剪定や改作を繰り返していると、思わぬ方向へ進んでしまっていたということがあります。
木の将来を決めようにも樹形を知らなければ木の個性に振り回されるばかりなので、様々な盆栽を見てどのような形があるか知っておくことは重要です。
ですが、樹形への知識が深まっても盆栽の育っていく様子を想像できなければ、これもうまくいきません。
木には個性があります。
決めた型にはめ込んでいこうとするより、木がもっている曲や形を生かして作っていくほうがよい結果になります。
個性を知った上で、将来の樹形を思い描きながら改作していくことが重要です。
木が受けてきた育成環境から木全体の曲や流れが観察できますので、その曲を強調したり逆に弱めてほかの部分を強めてみたり木がもつ長所を引き出しましょう。
盆栽の芯を替えるつくり変え
盆栽は木を小さいまま作っていくものなので、生長に合わせて切り戻すという作業を随時おこないます。
ですが、何度も切り戻しを繰り返すと切った部分がこぶになったり、全体の形が崩れたりするので、そのときは芯を立て替える改作が必要になってきます。
幹を木のてっぺんから下方にたどっていき、新しい芯にできそうな枝を見つけたら、その枝から上は切ってしまいます。
次に、針金でその枝が幹の中心となるような形を作り樹形の中心になるようにしていきます。
木を育てていると、芽が思ったような場所に出てこなかったり、枝が希望しない方向へ伸びたりすることはよくあることなので、あらかじめ芯になりそうな枝を見つけておき、樹勢が崩れ始めたと感じたら早めに新しい芯に立て替えるようにしましょう。
また、古い芯を切った場合は樹高が小さくなりますので、木の大きさに合わせて根を切り、全体のバランスがとれるような鉢に替えていくことも重要です。