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盆栽の代表的な樹種である松柏類
松柏類(しょうはくるい)は、古くから日本人に親しまれてきた樹種です。常に緑色で鋭く尖った針葉樹が特徴的。また、樹性(樹木の性質)も強いため、時間をかけて育てるほどに風格が漂ってきます。盆栽でとくに人気がある松柏類は、五葉松、赤松、そして黒松です。今回はこれらの松柏類の盆栽の育て方のポイントを解説します。
五葉松盆栽の育て方
五葉松とは、5本の針状の葉がひとつの束を形成していることが特徴の松柏類です。力強い生命力があり、さまざまな樹形に仕立てることができます。
五葉松の日常管理
置き場所:1年を通じて日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。
水やり:鉢土の表面の状態をこまめにチェックしましょう。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を上げてください。
肥料:五葉松の肥料は、春と秋ごろに行います。春は3月中旬~5月中旬ごろ、秋は9月~11月ごろまでです。それぞれの月に1回ずつあげてください。
植え替え:植え替えは芽が動き出す前に行いましょう。ベストの時期は3月中旬~4月中旬ごろです。この時期にできなかった場合は新梢の伸びが止まる8月中旬~9月ごろまでに行うと良いでしょう。若木の場合は2年に1回植え替える必要がありますが、ある程度年数が経ったら3~5年に1回で十分です。
五葉松の手入れ
9~10月ごろに前年以前に出てきた葉をはかま部分を残して切り落としておきましょう。そして新芽がひとつの場所から複数出てきたら、強い芽からかき取り、2~3本残すようにします。葉が1~2ミリ伸びたら、2~5束のもとを残した状態で先を摘んでください。
赤松盆栽の育て方
木の皮が赤いことから名付けられた赤松。ほかにも真っすぐと幹が伸びるといった特徴があります。
赤松の日常管理
置き場所:1年を通じて日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。
水やり:春~秋にかけては夕方の葉にむけて霧吹きで水をやる葉水がおすすめです。赤松は排気ガスや煙に弱いので葉を洗う効果も期待できます。このほか、鉢土の表面が乾いたときも、たっぷりと水をあげてください。
肥料:3月~11月の間は原則として、梅雨~夏以外の時期は毎月1回、欠かさず肥料を上げましょう。
植え替え:植え替えは芽が動き出す前の3月中旬~4月中旬か9月中旬ごろまでに行いましょう。若木の場合は2~3年に1回植え替える必要がありますが、成木になったら4~5年に1回で十分です。
赤松の手入れ
4月~5月の間に強い芽からかき取り、2~3本残すようにします。剪定は樹勢があるものだけ行うようにしてください。時期としては3月~4月ごろか、9月~10月ごろが最適です。
黒松盆栽の育て方
木の皮が黒くくすんでいる黒松。赤松と比べて幹が太く、どっしりとした印象があります。
黒松の日常管理
置き場所:1年を通じて日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。
水やり:鉢土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出てくるくらいの多めの水をあげてください。
肥料:3月~10月の間は原則として、6・7月の時期以外は毎月1回ずつ、欠かさず肥料をあげましょう。
植え替え:植え替えは3月中旬~5月までか9月中~下旬ごろに行いましょう。若木の場合は2~3年に1回植え替える必要がありますが、成木になったら4~5年に1回で十分です。排出が良い用土を用意してください。
黒松の手入れ
ひとつの場所からたくさん芽が出ている場合は、強い芽からかき取り2~3本残すようにします。残した芽も弱いものに合わせて先端を摘みましょう。葉が開き始める6月中旬~7月上旬ごろには芽切りも行いましょう。