盆栽で一番人気の高い松は種類もとても多いです。赤松・黒松・蝦夷松・錦松・カラマツ、それぞれに特徴がありますね。どれを選ぶかも大問題ですが「それぞれの育て方」というと一体何種類おぼえなきゃいけないの、という問題も起こります。大きく分類して「松類」として覚えておけば大丈夫!という育て方をごしょうかいします。
目次
松の盆栽主な作業
1月に葉抜きと針金かけ、3月の新芽が出始める前に植え替えを済ませ、新芽が伸びる5月初旬から肥料をやります。7月には芽摘みで9月中旬までに芽かきをします。11月初旬から古葉落とし。これで年間の主な作業が完了です。
黒松と赤松の作業は同時期で良いですね。
1月:葉抜きと針金かけ
<葉抜き>
芽吹きを促進して場のバランス調整をするための葉抜き作業です。高い先端の芽ほど養分を消費するので下方ほど葉が落ちます。葉のバランスが上方2:中央3:下方5になるぐらいに葉抜き作業で調整しましょう。
下に行くほど葉が枯れ込んで落ちるのを防がないと間延びした樹形になります。
<針金かけ>
葉が少ない時期で枝が見やすく、バランスの調整が一番しやすい時期に針金かけをして樹形を整えます。
2月:太い枝の剪定
太い枝は剪定すると樹へのダメージが大きくなります。このため、寒さが少し緩んでくる2月の下旬から3月上旬までに行うようにしましょう。樹への負担が抑えられるので切り落とした部位の傷が早く癒えます。3月上旬といっても、新芽が出始める頃は作業を見送ってください。
3月:植え替え
新芽が出始める前の作業が良いので、3月下旬あたりまでが向いています。あまり時期が遅くなると根が完全に伸び始めて、新しい根を傷めることになります。二十四節気の大寒過ぎから根は活動を始めます。その年の気温などでも変動はしますが、根が伸びた遅い時期よりも早い方が良いでしょう。
5月から:肥料
大体の目安は5月から12月(梅雨時を除く)が施肥の時期です。新芽が早く出てきていれば4月ごろからでも始めます。新芽や新しい根になるべく長く栄養が蓄えられるようにすると生育が良くなりますね。
7月中旬まで:芽摘み(みどり摘み)
植え替えをしていない樹に限って、勢いの良い芽がたくさん出て樹に勢いがあれば芽摘みをします。葉の勢いが悪ければ行いません。幹や枝に対して直角または水平に芽元から切ります。
作業時期の目安:錦松6月中旬から下旬・赤松と黒松6月下旬から7月上旬
9月:芽かき
9月になると6月から7月の芽摘み跡に新たな芽が出てきます。伸びてきた2番芽の不要なものを切り取りますが、切り口に対して水平な2芽を残します。樹の正面(表)から見て作業しましょう。
10月下旬から11月:古葉落とし
枝葉の数が少ないと新芽が出にくいです。でもまだ若木であればすべて取ってしまうと寂しくなります。このため、葉を透かすように古い葉をピンセットで抜き取ります。古葉落としは「葉すかし」とも呼ばれます。込み合っているなら新しい葉も切りましょう。ピンセットで抜くのは11月ごろが作業しやすいです。自然な落葉に時期を合わせると思ったより簡単にできます。
12月ごろ:枝の剪定
1月になると寒すぎるので、12月の生育が緩やかな時期に徒長した枝を剪定します。