ゆっくりとした生長が特徴の五葉松盆栽について育て方と一年間の手入れ方法を学びます。
目次
五葉松盆栽の毎日の水やりと施肥と鉢替えについて
水はけを優先させた土に植え、水やりもひかえ気味にします。
水やりは土が十分に乾いたところを確認してから、鉢底からあふれるくらいにおこないます。
肥料を与えるのは4月の上旬から11月の下旬までです。
途中、梅雨と盛夏の時期は液肥を週に1回、その他の期間は窒素分主体の玉肥を与えます。
玉肥は5号鉢の土上に2~3個を鉢の縁近くに置き、毎月取り換えましょう。
植え替えは、水はけの優れた砂か硬く焼いた赤玉土を使用します。
木が若いうちは1~2年に一度、3月ごろに根の整理を兼ねて木の植え替えをしましょう。木が古くなってきたら、3~4年に一度の間隔にすることができます。
根をしっかりと張らせるため植え替えるときには、根を四方に広げ浅めに植えつけると根に風格が出てきます。
五葉松の盆栽の夏越しと病害虫
暑さ寒さに強い樹種です。
枝や根を大きく切ったり、針金で木をいじったとき以外はとくに気を配る必要はありません。
ですが、剪定や根の処理を強めにおこなった年の冬はムロや屋内に入れたほうが賢明です。
アカダニ、ワタムシ、アブラムシがつきやすいです。
とくに繁殖力の高いアブラムシによる被害は大きいので注意が必要です。
見つけたら専用の薬でいち早く除去するか、前もって石灰硫黄合剤を使った予防薬を塗布しておくことをおすすめします。
五葉松盆栽の芽摘みと芽切り
4月下旬から5月は芽摘みに適した時期です。
強く伸びた芽があったら芽元から1/3程度残して切り取り、弱い芽は上の1/3だけ摘み取ります。
すべての芽の長さをそろえることがポイントです。
生長が遅い五葉松なので芽切りは必要ではありませんが、5月ごろからとくに目立って伸びてきた部分のみ3芽残して切ります。
五葉松盆栽の葉すかし方法と剪定
11月は葉すかし作業に入ります。
3年間の葉が込み合っている強い芽は、前年度、前々年度の葉を取り、今年伸びた葉も一部取り除いてすかします。
弱い葉は2年分の葉しかついていませんので、前年度分と今年の込み合っている部分を処理します。
ごく弱い葉もありますが、それはいじりません。
植え替えのときや、11月から3月の休眠期は剪定に適した時期です。
枝先を二股にするために、3つ以上芽があるものを左右の2つだけ残します。
生長した後の骨格をイメージしながら不要な枝を取ったり、太枝はえぐり気味に切り取ってしまいます。
剪定で必要な枝だけにした後に、針金をかけていくと木の全体が見えるので整えやすくなります。
五葉松盆栽の針金かけと繁殖について
枝や葉の整理がすんだ11月~3月に針金かけを施します。
樹形を作るには、木が若いうちにしっかりと曲をつけて格好をつけておくことが重要です。
葉は左右に向いて開く傾向があるので、芽の先を上向きに変え、上に向かってしまった枝は下のほうへ曲げていきます。
一度かけた針金は一年間そのままにして、幹や枝にくい込むようになったら、ほどいて巻き直すという作業を繰り返します。
繁殖についてはまだ青い実を木から採取し、屋内でかさが開くのを待ってから種を集めましょう。
乾燥を避け冷蔵庫に保管しておき、3月に鹿沼土で作った苗床に蒔けば発芽させることができます。
芽が生えそろってきたら、木の数を奇数残して寄せ植えの盆栽に仕立てるといいでしょう。