幹肌を愛でる盆栽

楡ケヤキは、東海地方以西の山野や川原に見られるケヤキと同じニレ科の落葉高木で、丈夫なため公園や街路用の木として日本全国で用いられています。落葉樹としては肉厚で、葉に光沢があり、葉は長さ5センチ程で先端は鋭く、縁がギザギザしています。ケヤキよりも細やかな照り葉、密にほぐれた枝が特徴で、樹勢が丈夫なうえ、萌芽力も強く生長が早いとされます。幹肌が荒らびくと味わいある大樹となります。樹形の崩れにくく、葉落ちした後の寒樹の風情も見どころとされています。別名を「アキニレ」と呼び、一般には小品盆栽に多く作られています。この楡ケヤキ盆栽の育て方について説明していきます。

楡ケヤキの置き場所について

日当たりが良く風通しの良い屋外で管理します。夏は半日陰に置き、冬は風、霜があたらない陽だまりに置きます。特に真夏では、直射日光以外で日が当たる場所か明るい日陰で、冬場は氷点下にならない場所に置きます。また季節に関係なく、時々鉢を回して全体に日が当たるようにするとより良く育ちます。室内で鑑賞する場合は、春から秋は2~3日、冬は1週間程度にして冷暖房の風が直接当たらないよう注意します。楡ケヤキはミニ盆栽に適しているので、小鉢で育てることが多く、風が強い日には、転がらないように固定しておいた方が良いようです。

楡ケヤキの水やりと肥料について

楡ケヤキは、水を好むので土が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに充分与えます。土が湿っている場合は無理に与えません。春の芽出しの頃は1日に1~2回、夏は1日~2日に1回、それ以外の季節は2日~3日に1回を水やりの目安とします。月別に言うと、1月・2月は少なめ、3月・4月・5月・6月は普通に、7月・8月は多め、9月・10月・11月・12月は普通といった感じになります。梅雨の時期は、少なめでも、問題はありません。肥料は、有機性肥料を4月、6月上旬、9月と年に3回程度与えます。肥料は、与え過ぎると枝が徒長するので控えめに与えます。

楡ケヤキの剪定と葉刈りなどについて

剪定は、芽が活発になる前の早春3月下旬に行います。新梢切りは、新梢が伸びて4~5葉出てきたら、その都度1~2節を残して切り取ります。枝元から最初の葉までを1節と数え、葉と葉の間を節間と言います。葉刈りは、樹勢の良いものを梅雨の時期に行います。その後も伸びたら、輪郭に沿って切り揃え、大きい葉は葉の元から葉刈りします。植え替えの時期は、芽が活発になる3月下旬が最適で、回数としては2~3年に1回程度とし、水通りが悪くなった時も行います。古土をできるだけ取り除き、根先を3分の1程度を切り詰めます。用土は赤玉土7、砂3の割合とします。

種類が豊富な楡ケヤキ

楡ケヤキは、湿地に多く自生するものですが、乾燥や西日にも耐え潮風や病害虫にも強いとされています。他のケヤキに比べ剪定に強く材質も硬く葉が小さいため刈り込んで仕上げることもできます。この種の落葉樹としては成長が比較的遅いものとして知られています。日本で「楡」といえば、一般的には「ハルニレ」を指します。北海道で街路樹に使われるように涼しい土地を好む種種で、春に葉に先立って花を咲かせます。一方の「アキニレ」とも呼ばれる楡ケヤキは、3月~10月に鮮やかな緑色、11月~12月は美しい黄葉が楽しめます。果実は食用になり、葉が小さいため盆栽として好まれます。盆栽界では、ケヤキを「本ケヤキ」と呼んでいます。楡ケヤキの種類には、ニレケヤキ普通種の他に、春の新芽に金色(黄色)が混じる品種があり、後に白覆輪斑となり、金芽八房とも呼ばれる「金芽ニレケヤキ」、極小葉を密生させる「八房ニレケヤキ」、白覆輪斑が入るニレケヤキで夏場に斑が消える「斑入りニレケヤキ」があります。種類も豊富で1年を通して楽しめる盆栽と言えます。