古くから親しまれている梅盆栽

梅は、花つきがよく強健な樹種として知られています。暑さ・寒さにも強く、代表的なところでは新春を祝う花物盆栽となります。白梅、紅梅、野梅と種類が豊富で、夏場に葉が丸まることがありますが、梅の性質によるもので問題ありません。盆栽でも1~3月は梅の開花を楽しむ季節となります。冷たい冬の空気を感じる中、華やかで小ぶりの花弁が咲く梅が愛でられます。日本では鎌倉時代から梅盆栽が楽しまれていたようで、長い歴史があります。梅は意外にも水をとても好む木で、生長力が旺盛とされます。剪定については、「桜切るバカ、梅切らぬバカ」と言われるように、梅がどんどん伸びるので、開花後と梅雨入り前までに剪定します。この梅盆栽の育て方について説明していきます。

梅の置き場所と水やりについて

梅は鉢植え、庭植えともに日当たりが良い場所を選びます。水はけの良い肥沃な土で育ちます。盆栽の置き場所としては、基本は屋外になりますが室内での鑑賞も可能です。室内で育てる場合、夏は3日、冬は1週間程度は屋外に置き、1日4~55時間程度、日光に当てます。屋外の置き場所は、夏場は日差しがきつい西日を避け、どうしても西日が当たる場合は50%の遮光ネットなど使用します。梅の水やりは、植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。水切れに強いとされますが、夏に雨が少ない時は土の乾燥がひどくならないうちに与えます。

梅の肥料と用土について

肥料は、春の開花後の生長期と秋の成熟期に3か月間ずつ固形肥料を株元に与えます。主にこの年二回に与えれば花芽が着いて翌年に良い花が見られます。適期に施肥すれば、花芽を着かせることは簡単です。肥料は一般的なものでも良いのですが、チッ素、リン酸、カリウムの三要素が揃ったものを与えます。有機肥料と無機肥料がありますが、いずれの肥料も土の中にいるバクテリアが分解して初めて、植物が吸収できる状態になります。梅には、油粕・魚粕・骨粉などの有機質を多く含んだ配合肥料が良いとされます。用土は植物の体を支える役目をしていますが、水分や養分、酸素を供給し蓄える役目もしています。梅は特に通気性を好みますから、根に酸素がゆきわたるように粒状用土を使います。可能ならば、腐葉土を1~2割くらい加えます。

梅の植えつけと剪定について

梅盆栽の植えつけや植え替えの適期は落葉期の12月から3月上旬の芽吹き前までとされます。厳寒期の作業は避け、開花期と重なる場合は花が咲き終わってから行います。この際には鉢土の底に有機質肥料または緩効性化成肥料を元肥として入れておきます。剪定は、まず咲き終わった花柄を摘み取ります。樹形を維持するのでしたら、同時に開花枝のつけ根から2~3芽を残し枝を切り戻します。この際に、芽吹くための葉芽がついていることを確認することが大切で、残した芽がどの向きに伸びるかを考えて残す芽を選びます。株全体を大きくしたい場合は花後の剪定の必要はありません。

梅盆栽の醍醐味は開花

手をかければ、それだけの効果がある梅盆栽。この盆栽の醍醐味は何といっても開花です。梅は早い時期に咲くので、寒いところに自生する樹と思われがちですが、暖かいところに自生する樹です。四季のある所で自生する樹は、寒さにあたると目を覚め、その後、暖かい日が重なると徐々に開花へ向かいます。原産地が暖かい所にあった種類ほど寒さに敏感で、わずか数日気温の低い日が続いただけで目が覚めるとされます。一方で寒い所の樹は寒さに充分当たらないと目が覚めません。これは、遅く咲く梅を暖めてしまうと落蕾することにつながります。また、梅盆栽は普通の盆栽と異なり、樹形にとらわれず自由に形づくれ、形が崩れても、それなりに鑑賞できるのが魅力です。小さな樹が古くなり枝数が減っても鑑賞できます。樹の生理的な条件からも盆栽に適しています。その上、寿命が長く、雅味があるので、花木盆栽として最も珍重される条件が揃っています。楽しみが多い盆栽と言えます。