盆栽の育て方:早春に香る蝋梅

盆栽手入れ

淡い黄色で蝋細工のような透き通る花をつける蝋梅は、1年で一番早く咲く盆栽でしょう。美しいその花は淡い香りも漂わせ、周囲を一気に春へと導きます。盆栽としても昔から親しまれ、病害虫もほとんどなく性質も丈夫で初心者にうれしい盆栽となります。ちょっと風変わりな黒花品種の蝋梅はチョコレート色の花をつけます。茶花として活用されていますね。花色が黄色一色の蘇秦蝋梅(ソシンロウバイ)が一番数多く栽培されているようです。

目次

盆栽展や通販で手に入れる

各地で開催される盆栽展や植木市に立ち寄ると、ほとんど蝋梅は展示されています。それほど親しみ深い樹種だと言えます。またインターネットなどの通信販売で苗購入する方法もあります。盆栽展で購入するならすでに盆栽として仕立てられているので、持って帰ればそのまま鑑賞しながら育てることができるのが利点です。一方インターネットでは蝋梅の盆栽となるとちょっと流通量は少なくなります。

ロウバイは、比較的タネがつきやすい花木です。タネは、初夏から夏にかけて完熟するので、この時期に採種しましょう。さやの中のタネを取り出し、1晩水に浸けてからまきます。赤玉土と鹿沼土を混ぜた用土を使い、タネが隠れる程度に覆土します。その後、用土を乾かさないように管理しましょう。比較的安価な苗木を購入して、一から自分流の盆栽に仕立てる楽しみはありますね。

入手方法番外編:種を蒔いてみよう!

盆栽の樹本は実生です。というよりも、実生だと本当の生育が見られるから愛情の湧き方も格別です。また、実生苗はミニ盆栽や苔玉に仕立てやすいという利点もあります。

蝋梅の種はとり蒔きが一番発芽しやすく、保存期間が長くなると発芽率が下がってしまいます。ちょっと細長い種を用土の上に置いて5ミリ程度覆土します。乾燥させないように水をやりながら待っていると芽が出ます。3か月ほどかかりますがそれはそれは嬉しいものですよ。

花が咲くまでに長い時間を要しますが、それも盆栽の醍醐味ということかもしれません。

蝋梅の日常管理

日当たりと風通しを確保できる場所が良いでしょう。よく庭植にされていることから暑さ寒さに強いということは折り紙付きです。ただし盆栽は鉢に植えこんであるのでちょっとだけ西日を避けたり水切れに注意したりしないといけませんね。

真冬の寒さには当てないと開花が進みません。花が咲くまではスパルタ教育が必要です。

水が多すぎるとかえって葉がしおれたりします。だからといって水切れもダメですね。水やりの目安は1日1回、冬は2日から3日に1回で夏場は少し多めの朝晩2回ぐらいです。鉢土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るまでやりましょう。

肥料は真夏の8月を除いて4月から10月までの毎月1回程度、固形肥料を置いてやります。液体肥料を薄めてやっても良いでしょう。チッソ分が多いと枝ばかりが伸びてしまいます。

蝋梅の剪定

剪定第一の蝋梅です。長い枝にも花は付きますがそれではフトコロが寂しすぎます。花が終わったらすぐに芽を2芽程度残して剪定しましょう。新しい枝が増えると来年の花もにぎやかです。6月ごろ花芽分化が終わった7月あたりに不要な枝を整理しても良いでしょう。難しい剪定がない点も蝋梅の魅力ですね。

針金かけは新しい枝に

古い枝は癖が付きにくいのが蝋梅の特徴です。新しい枝に柔らかい針金をかけて表情をつけてみましょう。

植え替え時期と用土

植え替えは年に2回のチャンスです。花後の3月から4月と秋の10月から11月初旬です。鉢の底から根が出ていなければ2年に1回の植え替えで大丈夫。用土も簡単で赤玉土の単用で十分です。ちょっと栄養分を、という方には赤玉土7:腐葉土3ぐらいで混ぜてやると良いでしょう。