桜は切り口が傷みやすい木なので、剪定しながら小さく作りこむ盆栽には丈夫な種類を選ぶ必要があります。盆栽に合う樹種の特徴と管理方法について学びます。

代表的な桜盆栽の4種類

桜の種類は多く、固有種と交配種を合わせるとおよそ600以上の樹種があり、そのうち盆栽に仕立てやすいといわれている桜は代表的なもので4種類です。
この4種は木の丈が低く花や葉が小さいことと、生命力が高く剪定などで木に傷がついても弱りにくいことが理由で選ばれています。

・富士桜
別名マメザクラとも呼ばれ、桜の中でもとくに花や葉が小さく盆栽に向いている樹種といえます。

甲信や関東などに自生する小高木で、春には2cmほどの可憐な白い花を咲かせます。
また、剪定の切りこみに対しても強く、病害虫の被害にも合いにくい性質をもつことから愛好家は多いです。

・山桜
日本の野生種の一つです。
ソメイヨシノが一般的に親しまれるようになる以前はこの桜が花見桜の代表樹種でした。
葉の開きと開花が同時期なのが特徴で、若い葉の色に赤みがさしているように見えることでソメイヨシノと区別されます。

丈夫な樹種で枝を取って挿し木にしてもよく発根し、苗作りを楽しむことができます。

・緋寒桜
赤みの強い桃色の花が特徴で2cmくらいの花びらを下に向けて咲かせます。
もともとは沖縄に多く分布していた樹種でしたが、鮮やかな花色が好まれ今では各地方で見られるようになりました。

盆栽では下を向いた花の様子を生かす樹形に仕立てられ、花色の美しさとともに好まれています。

・しだれ桜
園芸種では菊しだれや八重紅しだれなどがありますが、盆栽では富士桜や糸桜のしだれ品種が多く使われています。

3月になると花芽がたくさん膨らんでいるものが出回ってきますので、手に入れたら鑑賞鉢へ植え替え楽しみましょう。
鉢は柔らかい円形や正方形のものが合い、花色との調和も考慮しながら鉢の色選びをするといいです。

咲き終わったら花がらを取り剪定します。
毎年決まった手順で管理することで風格あるしだれ桜に育ちます。

桜盆栽に合う5つの樹形

桜は模様木、斜幹、双幹、寄せ植え、株立ちなど様々な樹形に仕立てることができ、花の美しさと幹肌を生かせるような形が親しまれています。

・模様木
桜は幹に味わいがあり、気長に育てることで古い木肌が作れます。
くねくねと幹に曲をつけた模様木樹形は、花と幹肌が際立つので桜の良さを引き立てます。

・双幹と株立ち
根の足元から若い枝が次々と出てくるので、株もとから複数の幹が立ち上がる双幹や株立ち樹形が作りやすいです。
若い枝を使った挿し木では100%発根しますのでたくさんの苗を作れば、様々な樹形への挑戦が楽しめます。

・寄せ植え
挿し木にすると発根しやすいので、大量の苗を用意して寄せ植え樹形を作るのもおもしろいです。
大き目のものを主木にし、全体のバランスや奥行きのとれた景観を考えながら仕立てましょう。

その場合、木の本数を偶数にすることは嫌われていますので、必ず奇数で作ることを鉄則とします。
・斜幹
木の芯が左右どちらかに傾いて立っている状態の樹形です。
風に吹かれ、木全体が流れている様子をイメージしながら作り、片方に傾きながらも根はしっかりと張り、木全体の均衡が保たれていることが重要とされています。

時間をかけて作りこむことで、古木のような幹肌と咲き誇る花を併せ持つ、バランスがとれた盆栽に変化していきます。