日本で一番古い歴史のある盆栽展は、「盆栽界最高峰の盆栽展」と呼ばれている「国分風盆栽展」です。この盆栽展は、1934年(昭和9年)から毎年2月に東京の上野公園で開催開催されています。
盆栽界最高峰の盆栽展と呼ばれている「国風盆栽展」
「国風盆栽展」は、「盆栽界最高峰の盆栽展」とも呼ばれている盆栽展です。この盆栽展には盆栽界の銘品の数々が出品されます。これらの盆栽の銘品は、四季折々の移り変わりや美しい自然の風景が盆栽鉢の中に凝縮されている作品ばかりです。
国風盆栽展は前期と後期の2部制で開催され、日本全国から素晴らしい盆栽の銘品が出展されます。出展内容は、国風盆栽展入選作品と特別出展の銘品です。この国風盆栽展の見所は、やはり盆栽愛好家が長い歳月にわたり手塩にかけて育てた盆栽の銘品が一番良い状態で展示されているところです。
この国風盆栽展には宮内庁所有の盆栽の銘品の数々も特別展示されるので、皇室の方々も御高覧される盆栽展です。また、この盆栽展には、各国の在日大使館の関係者も多く来場されます。近年では、この盆栽展は、海外の盆栽愛好家も多く訪れる国際的な盆栽展として知られています。
国風盆栽展の歴史的背景
第一回国風盆栽展は、1934年(昭和9年)の3月に現在の東京都美術館(当時の東京府美術館)で開催されました。当時の主催者は、国風盆栽会でした。この国風盆栽会は、貴族院議長にもなられた松平頼寿伯爵を初代の会長に迎えて設立された組織でした。
この国風盆栽展が開催された初期の頃は、彫刻家の朝倉文夫の助言により、春と秋の年2回開催されていました。また、盆栽展の名称である「国風」の意図としていることは、盆栽を日本固有の文化や芸術として捉えているため、第一回の盆栽展からこの名称が使われてきています。第2次世界大戦前後の3年間、国風盆栽展は開催が中断されましたが、前後の昭和22年に同じ東京都美術館で再び開催され今日に至っています。
また、1965年(昭和40年)になると、盆栽の普及、発展、芸術向上をはかり、盆栽が日本の文化の進展に寄与することを目的とした社団法人日本盆栽協会が設立されました。この初代会長には、元内閣総理大臣の吉田茂が就任しました。この日本盆栽協会の設立に伴いこの協会の母体であった国風盆栽会は解散いたしました。その後は、日本盆栽協会によって毎年2月に日本で一番古い歴史のある国風盆栽展として、開催されています。
この国風盆栽展には、この盆栽展に出品された盆栽作品の中で最高の作品に贈られる「国風賞」があります。この国風賞は、この盆栽展に出品された盆栽作品の中から、席の構成の美しさや風格、使われている盆栽鉢や卓、盆栽作品と添え物との調和、盆栽の樹木の状態、そして観賞者に与える感銘などの総合的な審査によって、この「国風賞」の作品が選ばれます。国風盆栽展の出展審査の主な流として、1月頃にこの盆栽展の出展作品の審査が行われます。そしてこの審査をパスすると2月に開催される国風盆栽展の搬入日に「国風賞」の審査が行われ、この賞の受賞作品が決定されます。
この国風盆栽展には、盆栽愛好家はもとより、幅広い年齢層の方々が国内外から訪れます。また、この盆栽展は日本の伝統的芸術の美しさが表現されている最高峰の盆栽の銘品を観賞することができるので、「盆栽界最高峰の盆栽展」ではないでしょうか。