盆栽の施肥に必要な肥料6種

盆栽の健やかな生長を促進するための、肥料の種類や施肥の方法について学びます。

目次

盆栽用油粕だんごと施肥方法

油粕だんごは植物の生育に必須養分をすべて含んだ肥料なので効果が高く、肥料焼けも少ないことから盆栽育成に広く扱われています。
作り方は油粕に水を加えて練った後、だんご状に丸めて乾燥させるだけです。

盆栽に与える量の目安は、5号鉢に直径3cm程度のだんごを一つ、幹の足元ではなく鉢のへりに置きます。
だんごが根に直接触れてしまうと肥料焼けをおこしてしまうので、必ず土の上に置き、土の中に混ぜたり埋め込んだりすることは厳禁です。

鉢に置いた油粕だんごは、少しずつ腐って効力を発揮していきますので、だんごが完全に腐ってなくなったときに次の肥料を与えるようにします。
普通3月~10月ごろまで施し、梅雨の時期や真夏は根に負担がかかるので取り払ってしまい、代わりに液肥を与えるようにします。

また、油粕とほかの有効成分が丸く固められた玉肥と呼ばれるものが市販されています。
様々なサイズがそろっていますが、直径2cm程度の玉肥なら3号鉢につき3個を鉢土に置くだけで、確実な効果を木に与えてくれます。
春と秋は月に一度交換しながら施肥し、暑い時期は玉肥は止めて、代わりに薄めた液肥を与えるという方法が一般的です。

花もの実もの盆栽の施肥には鶏糞を使用

熱処理された鶏糞は良質で扱いやすく、花や実をつける盆栽に必要な成分を含む良い肥料です。
リン酸を多く含有しているため木の開花や結実に対して高い効果を発揮し、盆栽の肥料は、油粕と鶏糞だけで十分だといわれているほどです。
油粕だんごに混ぜこむと使いやすくなりますので、油粕と鶏糞を半々の割合で混ぜて作ってみてはいかがでしょうか。

骨粉のリン酸成分は盆栽の施肥にぴったり

骨粉もリン酸の含有量が多いので肥料だんごの中に混ぜて使用しましょう。
油粕2に対して骨粉1の割合で配合しだんごにしたものを、苗木の養成時に施すと生長を促します。

手軽な盆栽施肥にはハイポネックス

一般的に使われている化学肥料で、有効成分のバランスの良さと確実な肥効で人気があります。
土に混ぜたり水にとかして水やりと同じ要領で与えたりするだけなので、取り扱いも簡単です。
ただし少し高価なので、施肥のときは効果的な分量を必要な場所に使い、安価な油粕などの有機質肥料と上手に使い分けするといいでしょう。

盆栽に施肥すると長く効くマグアンプK

粒状の化学肥料で、肥料焼けをおこしにくく肥効が長く続くのが特徴です。
粒の大きさにより効果の持続に違いがあり、一番大きなサイズでは1年ほど効くものがあります。
植えつけや植え替え時に土に混ぜこむか、鉢土の上にパラパラとまいて使います。
ただし、夏より後に鉢土に混ぜると根を傷めることがあるので注意が必要です。

盆栽の液体肥料といえばローンフラワー

国産の液体肥料で大変効き目があることで定評があります。
効果が高い分強く、根を傷めることもあるので、必ず400倍以上に薄めたものを使うようにしてください。
濃度が高いと根に悪い影響がでるばかりでなく、もみじでは葉焼けの原因になったりもするので使用量には気をつけましょう。

挿し木床や苗の施肥について

生長を願うあまり、挿し木をしている土に肥料をたくさん与えたくなりますが、あまり早くからの施肥は木の育成には逆効果です。
新芽が伸び始めたときに、ごく薄い化学肥料を多めの水にとかして、水やりの要領で与えるくらいに抑えておきましょう。