盆栽鉢には、釉薬がかかっていない「素焼き」の鉢と釉薬がかかった「釉焼き」の鉢の2種類の盆栽鉢があります。この2つの盆栽鉢は、それぞれ異なったメリットを持っています。

「素焼き鉢」のメッリット

盆栽に使われている素焼き鉢は、盆栽の苗木などを育てる際に使われている「培養用」の鉢が知られれいます。その種類も多くあり、盆栽鉢に使われている土の生地の色によって素焼き鉢の種類は、分類されます。その生地の色の種類には、朱泥、紅泥、南蛮泥、白泥、ソバ泥、烏泥、紫泥、梨皮泥などがあります。これらの色をした生地に何も手を加えずそのまま焼き上げて、これらの素焼き鉢は作られます。

色々な色の生地を使って作られる「素焼き鉢」のメリットは、長く使い込んでいくほど素焼き鉢に独特の風情や渋みが表れてくることです。長い歳月をかけて使い込まれてきた素焼き鉢に現れている風情や渋みがは、その鉢に植えられている盆栽の樹木の魅力を引き立ててせてくれます。また、長く使いこまれた古い素焼き鉢には、日本独特の「雅味」が感じられるものが多いです。

素焼き鉢の中でも朱泥、烏泥、紫泥などを使って作られた鉢は、長い歳月によって鉢が古くなってくると色の識別も難しくなりますが、使い込んでいくほど鉢の古さに味が出てくるので、盆栽の樹木を引き立てる役割も果たしてくれます。特にこれらの素焼き鉢に向いている盆栽の樹種は、松柏類です。

「釉焼」鉢のメッリト

釉薬がかかった「釉焼」鉢は釉薬がかかっていない「素焼き」鉢に対して、「色物」とも呼ばれています。この「釉焼」鉢は、素焼きをした後に釉薬がかけられた陶器と硬焼の磁器の2種類に分類されます。また、昔から盆栽鉢を作っている陶工家たちは、美しい色彩の色を盆栽鉢に出して、盆栽の美しさや魅力を出すための鉢づくりに苦労してきたと伝えられています。

「釉焼き」鉢のメッリトは、盆栽の樹木と鉢の色合いが調和して、盆栽の美しさを引き立たせてくれることです。「釉焼き」鉢は、別名「飾り鉢」、あるいは「化粧鉢」とも呼ばれています。長年手塩にかけて育てた盆栽を盆栽展などに出品して陳列する場合は盆栽の樹木だけでなく盆栽鉢も一緒に観賞してもらうために、色のついている「「釉焼き」鉢に植替えます。つまり我々が特別なパーティーなどに出席する際、普段着ではなく少しおしゃれをした服装に着替えて出席することと同じ意味合いです。

一方、「釉焼き」鉢は、盆栽の苗木などを育てる養成用の鉢としては、適していないデメリットもあります。その理由として、釉焼き」鉢は「素焼き」鉢に比べて鉢の色彩にポイントをおいて作られているので、空気や水の排水性が良くない点です。鉢の中で空気の流れや水の排水が良くなかったりすると、盆栽の樹木の生育が悪くなってしまいます。そのため盆栽の樹木の養成用だけに重点をおいた実用性の高い「素焼き鉢」は、盆栽の樹木を育てるためには適しています。しかし、釉薬がかけられた色鮮やかな色彩のある「釉焼き」鉢は、盆栽の樹木だけでなく、もう一つの鉢の美しさを観賞する楽しみもあります。

「素焼き」鉢と「釉焼き」鉢はそれぞれメリットとデメリットがありますが、植える盆栽の樹木や種類によって使い分けることが大事です。盆栽鉢と盆栽の樹木、そして鉢の色合いの3点にポイントをおいて一番調和のとれた「三角関係」を見つけて盆栽の樹木に合った盆栽鉢を選ぶと、鉢と樹木双方の魅力が一層引き立ちます。