もみじの盆栽:種類と特徴

盆栽手入れ

「紅葉」と書いて「もみじ」と読むほど秋の紅葉(こちらは「こうよう」)は美しく印象的です。深緑のころや真夏のもみじの葉は独特の黄色を含んだ濃い緑で、雨に濡れた姿もまた美しいですね。もみじの魅力は幹にもあり、紅葉の後に葉が落ちた「寒樹(かんじゅ)」になれば白い幹の肌に縦縞が浮き出てより季節を感じさせます。花は目立ちませんが落ちてくる実は羽子板の羽のように2枚の翼を使って風に乗り、次の世代へと命をつなぎます。

目次

モミジの種類

もみじを分類すると3種類に分かれます。

イロハモミジ(イロハカエデ)

葉の長さは5センチ程度で幅は7センチぐらいまでのほぼ円形です。葉の切れ込みはてのひら状に5つから7つに切れ込んでいます。葉の表は濃い緑、裏は淡い緑で裏側の元近くにはケガの凝ります。
7つに分かれた切れ込みを数えるのに「いろはにほへと」といったことからその名がついています。

オオモミジ

葉は長さ10センチぐらいで幅も10センチ程度でほぼ円形です。切れ込みは5つから7つ、縁は細かくギザギザになっています(きょ歯)。葉が特に深く切れ込んだフカギレオオモミジもあります。

ヤマモミジ

葉の長さは10センチほど、幅も10センチほどでほぼ円形です。5つから7つに切れ込みますが、その切れ方が鋭いのが特徴です。紅葉が一番美しいのがヤマモミジで、盆栽にされるのもこの種が一番多いです。

もみじの品種

園芸品種がとても多く、紅葉した時の色も赤や黄色など様々です。

出猩々(でしょうじょう)

春に伸びる新芽は赤で夏には緑に変わる不思議な品種です。盆栽によく仕立てられる春もみじの代表格です。成長が早いので育てやすいですが、秋の紅葉があまり美しくないと言われます。

千染(ちしお)

やや黄色味を帯びた春もみじです。イロハモミジの系統で葉が比較的小さめで盆栽向きです。

オレンジドーム

オレンジ系に分けられますが、よく見ると葉は全体的に黄色ですが縁が赤くなっています。イロハモミジ系統で、芽が出ると一気にオレンジ色の葉を広げます。一味違った盆栽が出来そうですね。

黄金板屋楓(おうごんいたやかえで)

葉が出た頃は緑色で10月初旬に黄金色になる品種です。夏の緑は見事な色で、特に5月ごろの青葉は見ごたえがあります。葉が大きくなるのに節間が伸びにくいのが特徴です。

獅子頭(ししがしら)

葉が縮れていて節間が詰まる盆栽でも人気の品種です。細く切れ込んだ葉の濃い緑が涼やかですが、秋の紅葉はさらに繊細な美しさです。

七五三(しちごさん)

切れ込みの数が7・5・3と違う葉を楽しめます。葉の形がそれぞれ違うのが特徴で、細葉で柔らかな印象です。葉は始めは淡く明るい緑色、徐々に鮮やかな緑色に変わり紅葉の時期には黄色からオレンジ色へと変化します。小品盆栽に仕立てると可愛らしさが引き立ちます。

しだれもみじ

葉色は赤と青、細い繊細な葉をつけて柔らかな滝のように枝垂れます。その姿は山中にある本物の滝を思わせるようです。比較的大きくなりますが、他のもみじに比べると成長速度が遅いので盆栽に仕立てるのも向いています。

もみじの代表的な7品種をご紹介しましたが、まだまだ他にもたくさんの品種があるのももみじ盆栽の楽しみです。いろいろ揃えて青葉や紅葉を楽しんでみませんか。