木の個性に合った盆栽鉢を選ぼう

人間にも「この色が似あう」「この服が似合う」といった個性があるように、盆栽に使われる木にも個性があります。
美しい盆栽とは、木と盆栽鉢がぴったりと合うことで初めて成り立ちます。ちなみに木と盆栽鉢の相性が良い状態を愛好家は「鉢映りが良い」と表現します。

そして、盆栽鉢を選ぶためには盆栽鉢の種類を知っておくと便利です。ここでは盆栽鉢の形や色の付け方などで盆栽鉢の種類分けして紹介していきます。
なおここでいう盆栽鉢とは、観賞用に使用するものとなります。盆栽の仕立てや培養を目的としている場合は、培養条件を満たせる駄温鉢を選びましょう。

盆栽鉢の種類:形状によって見分ける

盆栽鉢は「上から見た形」「縁」「深さ」「角・隅」「足」という5つの要素によって成り立っています。それぞれの特徴についてみていきましょう。
上から見た形
長方形や楕円形、円形、正方形のほか独特な形の古鏡形、木爪(もっこ)式、輪花式などがあります。

外に反っている「外縁」、内側に折れている「内縁」、反りや折れがない「切り立」が基本となります。このほか外縁が縄状になっている「縄べり」や玉状になっている「玉縁」などがあります。
深さ
最も深い形の「深形」、最も浅い「浅形」、その中間の「中深形」などがあります。
角・隅
角がとがった状態のもののほか、隅を入れた「隅入」や丸い角の「撫角」、角を切った「隅切り」などがあります。

鉢の形に沿った「切り足」、装飾性の強い「雲足」のほか「付け足」などがあります。

盆栽鉢の種類:色の付け方によって見分ける

盆栽鉢には「泥もの」と「色もの」という2種類の色が存在します。

泥ものは釉薬(うわぐすり)を塗らずに焼き締めたもので、土の色を生かした仕上がりとなっています。主なものとして朱泥や紅泥、白泥、紫泥などがあります。
色ものは素焼きのあと釉薬を塗って焼き締めたものです。瑠璃や白磁のほか、青緑色の呉須や空色の均窯、深紅色の辰砂などがあります。

盆栽鉢の種類:日本鉢(和鉢)と中国鉢(支那鉢)

盆栽鉢には、国内産の鉢と中国産の鉢があります。一般に日本の鉢は和鉢、中国産の鉢は支那鉢と呼ばれています。

中国の鉢は、輸入された時期によっても呼び名があります。
明治時代以前にきたものは「古渡り」と呼ばれるのをはじめとして、明治時代のものは「中渡り」、大正時代から第二次世界大戦にかけてきたものは「新渡り」、そして第二次世界大戦後にきたものは「新新渡り」と呼ばれています。

どれも歴史的価値が高く、盆栽愛好家には重宝されている逸品です。
入手が難しい場合は、盆栽鉢専門店や中国鉢専門のオンラインショップを利用して購入するケースもみられます。

盆栽鉢を選ぶときの注意点

盆栽鉢は、盆栽の美しさを楽しむうえで欠かせない要素です。
しかしその一方で、鉢の中の植物の住処でもあります。

盆栽鉢を選ぶときは、見た目の美しさも大切ですが鉢穴の大きさや位置をチェックし通気性や排水性に優れたものを選びましょう。
木と盆栽鉢の調和を確かめる「鉢合わせ」をするときには、見た目の相性だけでなく、根の大きさなども考慮して木にとって居心地の良いものを選んであげてください。