世界初の公立「盆栽美術館」!

さいたま市大宮盆栽美術館は、世界初の公立の「盆栽美術館」です。聖地として名高い大宮の盆栽村に近接して設けられています。旧髙木盆栽美術館のコレクションを一つの核とした盆栽の名品などから、盆栽鉢である盆器、水石と呼ばれる鑑賞石、盆栽が描かれている浮世絵などの絵画作品、さらに盆栽に関わる歴史・民俗資料等を系統的に収集し公開しています。さいたま市の伝統産業にも指定されている盆栽文化を広く内外に発信することを目的として活動しています。その活動には3つの柱があります。一つは、盆栽と盆栽に関する伝統技芸の歴史、美術史や工芸史、園芸文化史などの観点から研究し、得られた成果をわかりやすく公開することです。またアカデミックな盆栽研究の確立も目指しています。二つめは、さいたま市の新名所として、盆栽の素晴らしさ、面白さに気軽に触れられる観光の拠点となることです。三つめは、盆栽の観覧をきっかけに盆栽の奥深さを知り、伝統産業としての盆栽業の応援団となる方への水先案内人を務めることです。この盆栽美術館について説明していきます。

さいたま市大宮盆栽美術館のデータ

住所:〒331-0804埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
電話:048-780-2091FAX:048-668-2323
http://www.bonsai-art-museum.jp
アクセス:
・電車利用の場合、JR宇都宮線「土呂駅」下車東口より徒歩5分。
東武アーバンパークライン「大宮公園駅」下車徒歩10分。
・車利用の場合、首都高速埼玉新都心線「新都心西」出口より約6km。
東北自動車道「岩槻」出口より約9km。
駐車場は、一般車39台(2時間無料)、大型バス3台(860円)、障害者用2台(無料)。
開館時間:(3月~10月)午前9時~午後4時30分で入館は午後4時まで。
(11月~2月)午前9時~午後4時で入館は午後3時30分まで。
休館日:木曜日(祝日の場合は開館)、年末年始に臨時休館日あり。
観覧料:一般 300円(団体200円)、高大生と65歳以上 150円(団体100円)、小中学生 100円(団体50円)、障害者手帳を提示の方と付き添いの方1名は半額で、20名以上が団体料金となります。

館内の展示について

館内のコレクションギャラリーとしては、プロローグ、ギャラリー、座敷飾りという、3つの空間で構成されています。プロローグでは、盆栽文化への導入部として、盆栽と深く関わりのある盆器、水石、絵画資料、さらには歴史・民俗資料といった作品などを月替わりで展示しています。次のギャラリーと座敷飾りが盆栽の展示空間となっています。ギャラリーでは5席、座敷飾りでは3席の盆栽を季節に合わせて、週替わりで展示しています。座敷飾りは、3つの間に分かれています。室町時代に室内に書画や工芸品を飾りつける基本的な様式が整い、江戸時代には、座敷を「真」「行」「草」の格式に分けるようになり、それぞれに合った飾り方が生まれました。これ以降、客人をもてなす空間として重要な役割を果たしています。「真の間」は、最も格式の高い座敷とされ、床柱は柾目の杉、下框は黒漆塗りとなります。また身分の高い人が座るのに相応しい規則正しく細やかな文様をあしらった高麗縁の畳を、床の間に敷くなどの決まりがあります。床脇棚には、水石や香の道具などを飾り置き、格調高い盆栽を飾るのに相応しい座敷となります。真・行・草は、中国の書道に由来する三つの伝統様式です。厳格な真体に対して、崩して動きをもたせるものは草体、その中間となるのが行体となります。近代以降に作られたほとんどの座敷は、行の様式の空間となっています。これが「行の間」となり、模様木や花もの盆栽などを飾るのに適しています。「草の間」は、主に茶席として工夫され、限られた空間に柱や框にそれぞれ異なった木を選ぶことで、狭さを感じさせない変化に満ちた空間になっています。文人木など、動感豊かな盆栽を飾るのに適しています。

館内の盆栽庭園について

盆栽庭園は、常時40~50点の盆栽を展示しています。盆栽を全方位360度から見られる場所もあり、盆栽の正面と背面の違いも見ることができます。美術館最大の盆栽となる五葉松「千代の松」は、日の当たり方を調節するため回転式展示台に飾られています。中央のあずまやと、本館2階の盆栽テラスからは、通常より高い視点で盆栽庭園を見ることもできます。盆栽の中でも落葉樹などの雑木や草ものは、満開の花、鮮やかな新緑や紅葉など、季節によって異なる表情を見せ、果実を結ぶものや、葉が落ちても凛とした美しさを見せるものもあります。これらを盆栽の四季として展示しています。2本の幹がざわめくように波打ちながら枝を伸ばす姿は、さながら深山に隠れ棲む仙人の神秘的な姿を思わせるとされます。春には紅白の花を咲き分ける品種「思いのまま」などを飾ります。幾層にも重なった樹皮に苔がむし、古木の生きてきた歳月の永さを実感させ、均整のとれた姿は、枝が等間隔に並べられることから生まれるとされます。夏には、黒松の「青嵐」などを飾ります。葉のねじれた形状が、唐獅子の巻毛を彷彿とさせ、盤根が山型に隆起し、そこから伸びる複数の幹や枝の動き、葉の形状が生む複雑な陰影に魅力があらわれとされます。秋にはもみじの「獅子頭」などを飾ります。立ち上がった幹が、大木のような貫禄を感じさせ、放射状に枝葉を拡げるケヤキの仕立て方は、箒づくりと呼ばれています。季節を通じて変化する葉の彩りと、冬場の落葉した姿が見どころとされます。冬にはケヤキの盆栽などが飾られます。

盆栽三昧の美術館

この盆栽美術館は、日・英・中・韓の4ヶ国語に対応する音声ガイドをご用意しています。近年増えている外国人観光客に好評のようです。いろいろな盆栽の詳しい解説を聞くことができ、利用料金は300円となっています。ミュージアムショップでは、盆栽美術館発行の図録をはじめ、手ぬぐいや盆栽のポストカード等、オリジナルグッズを販売しています。施設案内や所蔵盆栽等のコレクション、盆栽の見方、樹種と形態、大宮盆栽村等について書かれた日英バイリンガルのガイドブックなどもあり、通信販売もしています。盆栽について至れり尽くせりの美術館と言えそうです。