最適な土は作ることができる

盆栽に使われる樹種は数多くのありますが、本来はそれぞれの植物が好む土の質や配合は全部違うものです。植物にとって最も相応しい土は、その植物が元気に生育している場所の土を使うのが良いのですが、その場所まで出向いて土を採ってくるのは大変です。しかし、相応しい土は作ることができます。植物の根は土の中で四方八方に張り地上部を支え、土中の水分や養分を吸収します。根自体も呼吸をし、土中の酸素を吸って炭酸ガスを排出しています。植物にとって土は体を支える重要な足場であり、生命維持のために必要不可欠なものです。それぞれの樹種にあった土を作れば、盆栽はより素晴らしいものになります。この盆栽の土の作り方などについて説明していきます。

盆栽の用土とするには

盆栽用土は、保水力があり、排水性が良く、酸素が含まれやすいという3つの条件を満たす必要があります。そして保水力と排水性という矛盾した条件を満たすのが粒土です。土の粒子が小さいと粒の中に水分を多く含んで保水力が高くなり、逆に粒が大きいと粒間の空間が大きくなり排水が良くなります。水分を好む樹種であれば、細かい粒土を多く混ぜたり、保水力の大きい土を混ぜるといった工夫をすることになります。さらに用土には、土台として役割があります。排水性を上げるために細かい粒土に角張った砂利を混ぜることがあります。これは角張っている砂利に根が当たり、そこで分岐して根の生長が阻害されるからです。盆栽用土は保水・排水・酸素の3点に留意して用意します。また予め栄養分が含まれた用土は、盆栽に好ましいとは言えません。水分や養分は必要な量を後から与えるものとされます。

盆栽用土の種類

盆栽には、よく使われる代表的な用土がいくつかあります。それぞれ単用で使われることは少なく、樹種に合わせて適当な配合で使います。「赤玉土」は、粒が比較的しっかりとし、粒と粒の隙間に空気が入るので根が酸欠になりにくく良好な土壌環境を作ることができます。粒の中に水分を蓄える性質があり保水力にも優れていますが、根の成長が良過ぎるので徒長しやすい点があります。粒が揃い硬い硬質の焼成赤玉土が広く使われています。「桐生砂」は、粒が固く丈夫で、多孔質で角ばっているので、根の分岐が促される効果があります。単用で鉢底に使われたり、排水性も高いので様々な盆栽用土に混合されます。「鹿沼土」は多孔質で保水力が高く、単独では挿し木用土としても使われます。「川砂」は、排水と通気性に優れ、松柏類などでは赤玉土と混ぜ排水効果を良くします。「ケト土」は、粘土質で湿り気があり、石付き盆栽の仕立てに使われます。根を這わせてコケで覆ったりする際の下地にも使います。「腐葉土」は、雑木類などによく混ぜて使う基本用土です。葉や枝の残骸が残っていない、質感的には黒土に近いものが良いとされます。

盆栽用土の配合について

代表的な樹種に合った用土の配合例を挙げてみます。花物・実物類や松柏類で配合に違いがありますが、無理にその通りの用土を用意する必要はありません。樹種の最低限度の条件を満たしていれば充分です。松柏類に使う用土と配合では、黒松の場合、赤玉土5割・黒土2割・川砂3割、または赤玉土6割・桐生砂か山砂4割となります。赤松の場合、赤玉土6~7・川砂か桐生砂3~4となり、五葉松の場合、赤玉土6~7、川砂か桐生砂3~4となります。葉物類に使う用土と配合では、ケヤキの場合、黒土4・赤玉土3・腐葉土2・桐生砂1となり、モミジの場合は、黒土4・赤玉土3・腐葉土2・桐生砂1または、黒土7・腐葉土1・桐生砂2となります。花物類に使う配合では、梅の場合、赤玉土4・黒土か腐葉土4・桐生砂2となり、桜の場合、黒土3・赤玉土4・川砂または桐生砂3となります。実物類に使う配合では、姫リンゴの場合、黒土3・赤玉土4・腐葉土2・桐生砂1となり、草物類に使う配合では、福寿草の場合、黒土5・赤玉土3・桐生砂か川砂2となります。

将来像を思い浮かべて土作り

盆栽に使用する基本用土は赤玉土となります。赤玉土は盆栽に使われるだけでなく、園芸の基本用土として広く用いられています。この赤玉土を主にして樹種や環境に合った用土を作ります。しかし、樹種ごとに土の配合を変えなければならないのは、面倒と感じられた方には、既に配合された土も売っていますので、配合土からスタートすることもできます。用土の配合比率などは様々な経験から生み出されるものですので、手始めに配合例などを参考にしていろいろと工夫してくと何が合っているのかがよくわかります。また盆栽を長く携わっていると用土の配合について自分なりのこだわりを持つようになるようです。この土作りも盆栽の将来像を思い浮かべながらの作業ですと、苦にならず、楽しみが倍増すると言えるかもしれません。