植物が育つには日光が必要不可欠です。でも住宅事情で北向きのベランダしかなかったり、ベランダがないから窓辺に置きたいということもありますね。確かに室内はあまり樹にとっては快適な場所ではないでしょう。風通しもなく乾燥して植物にとっては過酷な場合もあります。そんな時に知っておきたい室内で育てるコツと室内で育てるのに向いている樹種などをご紹介します。

なぜ室内で盆栽が育てにくいのか

室内で盆栽が育てにくいのは次の条件からです。

・日中や季節によってあるはずの温度変化が少ない

・冷暖房で通年温度や湿度の変化が少ない

・太陽のが当たりにくい

・締めきった部屋で自然の通風がない

屋外は必ず1日のうちでも気温差があります。人間が快適だと感じる温度と木の生育適温はだいたい同じぐらいです。自然の中で生きる樹は温度変化に耐え季節を重ねるることで紅葉したり芽吹いたりを繰り返しますが、耐えられない人間は冷暖房を使って過ごしています。

室内で観賞する盆栽、どうしたら育つのか

エアコンの風は禁物です。エアコンは死活問題、乾燥する上に熱風に冷風では樹の体力を奪ってしまいます。室内専門の苔玉でも乾ききってしまいます。

解決方法として一番良いのは「複数の盆栽を交互に飾る」ということでしょう。3日室内に置いたら次の鉢と交換して外に出すという方法です。これなら室内でちょっと・・・と感じ始めた頃に外の鉢と交代してもらうのでそこまで盆栽がストレスを感じずに済みます。日当たりの良い窓辺に置ければ一番良いのですが、それでも3日目には窓を開け放ってやらないと過湿になるか乾燥しすぎるかのどちらかになってしまう恐れがあります。受け皿の水は必ず捨てる、水やりは鉢底から抜けるまでやる、霧吹きで葉水をかけて乾燥を防ぐなどの処置が必要です。

肥料にも工夫を

室内に飾る盆栽は比較的鉢の小さいものが多く、ミニ盆栽や豆盆栽が主流です。盆栽鉢が小さいと比例して用土も少ないので栄養分を蓄える力も少なくなっています。定期的に肥料をやる必要はありますが生育が止まる夏季と冬季は必要ありません。ということは、生育期の春と栄養を蓄えたい秋の2回与えれば効果が長くて固形タイプのものが便利ですね。

室内に向く盆栽樹種

室内イコール半日陰と考えるのが適切で、それに適した樹種を選ぶことも大切です。

<カエデ>
芽が出るときから赤く、秋には紅葉する色変わりの美しさが魅力です。萌芽力が旺盛で変化のある樹形が作りやすい樹種で、性質も強健で室内環境にも耐える力があります。

<サクラ>
基本的に日当たりを好みますが、半日陰にも適応能力があります。風通しは確保しましょう。根の生育が早く水を多くほしがりますが、やりすぎは花付きが悪くなります。室内では週に1回から2回の水やりで良いでしょう。

<フジ>
長い藤色の花を滝のように垂らす姿を室内で見られたらこの上ない幸せです。生育期は3日程度で室外に出してやる必要性はありますが、秋から冬にかけては暖房の当たらない室内に取り込んだままでも丈夫に育ちます。3月ごろは特に霜などで蕾を落とす危険があるので室内の方が好都合という樹種です。

室内で盆栽を育てる裏ワザ!

室内用温室と照明器具・ミニ扇風機を設置するという裏ワザがあります。温室がなくても大丈夫ですが、照明器具を取り付けるために枠が必要という場合もあるかもしれません。植物を屋内栽培するライトが市販されているのをご存知ですか?寒い時期などは室内に取り込んで育てる人のためにあるのですが、逆に年中室内に置きたい時に取り入れることもできます。また、ミニ扇風機を少し離れた場所から当ててやると自然に近い通風を確保することができます。

盆栽の気持ちになって、少しでも過ごしやすい環境に置いてやることで室内でも愛情をこめて鑑賞することができますね。