もみじは紅葉で差がつく

植物は盆栽として管理されている場合、施肥や用土の条件が良いので、根が分岐しやすく鉢底の辺りが密になっていきます。樹種によりますが、だいたい1年から数年で細かい根が鉢の中に充満してしまいます。すると新しい根が伸びにくくなり、水や空気も容易に入ることができなくなります。水分や養分を吸収する根の寿命は半年から1年程とされます。新しく根を伸ばすことで生命を維持している植物は、根詰まりした盆栽の中では、次第に元気がなくなり美しい姿を保てなくなります。そこで、古い土や古い根を取り去り新しい土に入れ替える植え替えをして根の生長を助けます。しかし植え替えは、植物を支えたり、水分や栄養分を吸収する根を切るわけですから、適切な時期や正しい植え替えのやり方を知る必要があります。特にもみじは紅葉に影響するので、植え替え作業は大切なものになります。この盆栽もみじの植え替えについて説明していきます。

植え替えに必要なものと手順

一回り大きな鉢、軽石、用土(必ず新しい土)、鉢底に敷く網を用意します。まず今までより一回り大きい新しい鉢を用意し、素焼き鉢なら30分~40分程水に浸しておきます。植え替え用土は植え付け用土と同じものとし、赤玉土を主体に腐葉土、山砂などを混ぜたものを使います。次に古い鉢からもみじの株を引き抜きます。根が詰まっていると抜くのに苦労します。鉢を叩いて揺さぶっても抜けない場合は、割るしかありません。プラスチック鉢の場合、ペンチなどで強引に引き裂いて取り出します。引き抜いたもみじ株は、ナイフや包丁で一回り小さくなるように切り、古い土を軽くふるい落とし、長い根を小さく切ります。古く変色した根も取り除き、根を整理します。根を切ると、ストレスになって枯れることもありますので、慎重に切ります。
新しい鉢の底の水が出る穴に網を敷いてその上に軽石をいれ、用土を2センチほど入れてから、適度な密度と大きさにした株を鉢の中央に据えます。用土を7割程度入れて鉢縁を叩いて用土を落ち着かせ、竹ばしで用土を根の間に鋤込みます。新しい土はフカフカしているので、根の負担にならない程度少し押さえて詰めてやります。用土を追加して高さを調節し、植え終わったらビニールの紐などで木を結わえて、風で倒れないようにします。最後に水を注いで終了です。

植え替え作業について

植え替えの時期は植え付けと同じ、春の彼岸頃か、芽が少し動き出してきた時に行います。この時期のもみじは、成長が最も旺盛なので、植え傷みが少ないとされます。用土では赤玉土と腐葉土を配合するとありますが、盆栽鉢やプランターでの植え替えの場合、市販の「花と野菜の土」だけでも充分と言えます。もみじ以外ですと、ミズゴケ、酸性土壌でないと育たないサツキ・ツバキ・アザレア・ブルーベリー・フランネルフラワーなどは、酸性の土で植えないといけません。植え替えは必ず新しい土を使用します。枯れた鉢の要らない土や、一度何かを植えた土には菌や虫が繁殖し、栄養が偏っていますので成長不良や病気が起きます。

古い土の処分について

不用となった古い土の行先ですが、一番簡単なのが燃えるゴミと共に出すというものです。古い土を収集・処分してくれる自治体は結構あり、袋に入れて出せば回収してくれます。昔は東京も生ゴミの日に回収していました。しかし、土をごみ収集してくれない自治体も数多くあります。その場合、生ゴミの袋にそっと少量ずつ混ぜて、ゴミの日に出すしかありません。最近ではホームセンターで古い土を回収する所もあります。ホームセンターによって変わりますが、回収ボックスがあり、そこに土を捨てたり、土の購入と引き換えに古い土を回収するという場合もあります。

秋の紅葉に期待が持てる

植え替えは、盆栽では重要な作業の一つです。タイミング的には、盆栽鉢の根詰まりを防ぐために2~3年に1回一回り大きな鉢に植え替えます。これをやっておけば、もみじの場合、秋の紅葉の時期が楽しみとなります。盆栽は、枝ぶりや樹形のメンテナンスに目が行きがちですが、土の中に隠れている根のメンテナンスもしっかりしておけば、期待通りの結果がもたらされるはずです。もみじは出来る限り紅葉する兆しが見えてから植え替えます。通常樹木の移植時は根の損失に見合う程度に枝葉を落とす必要があります。自宅や室内で秋を愛でるためには、植え替えという下準備が必要と言えます。