美しい盆栽のために欠かせない「芽摘み」

盆栽特有の美しさを保つためには、さまざまな技法があります。芽摘みもそのひとつです。
芽摘みとは、芽先を摘み取ることで、枝の軟弱な伸びや、まばらな育ち防ぐ技法です。
芽摘みを行うことで養分が木全体に行き渡り、美しい樹姿を保つことができます。

盆栽の芽摘みを行う上での基本的な事柄

先述の通り、芽摘みの目的は、すべての枝にバランスよく栄養を届けることで整った樹姿を保つことにあります。
そのため、木の育ち具合や個性を理解し、どの芽を摘むべきかよく考えなけばなりません。
芽の出方をしっかり観察したうえで、弱々しいものは摘むのを控えるようにします。
弱々しい芽は枝となって、ある程度力強さを感じられるようになってから芽摘みを行うのが最適です。

盆栽の芽摘みで早めに取り除くべき「不定芽」

どの芽を摘むべきか、観察するのが難しい芽摘みですが、最優先して摘むべき芽があります。それが、「不定芽」です。
不定芽とは、芽の先端や葉の付け根以外の部分から出ている芽を指します。

芽は若さゆえに勢いがあります。不定芽を放置していると、樹木の栄養をどんどん吸収して伸びきってしまいます。
場合によっては、大切に育ててきた古枝の盆栽を枯らしてしまうことも。
そんなことにならないよう、不定芽は見つけ次第、芽摘みを行ってくださいね。
不定芽は、枝元や枝分かれしている部分、根元部分から出やすい傾向があります。

松柏類の種類ごとの芽摘みのポイント

盆栽の芽摘みは奥が深く、細かな方法は樹種や生育状態で違ってきます。
ここでは松柏類の中でも人気の樹種、「五葉松」、「アカマツ」、「クロマツ」、「エゾマツ」、「スギ」の芽摘み方法について解説していきます。
■五葉松の芽摘み方法
比較的丈夫で、さまざまな樹形に仕立て上げることができる点から非常に人気の高い、五葉松。
美しい姿を保つためには、新芽が1か所から複数出てきたら、一番強い芽を摘みましょう。
残した芽も、葉が1~2ミリほど伸びてきた段階で、元を2~5束残して先端部を摘みます。
芽が動き出すのは3月中旬~4月中旬ごろとされています。
■アカマツの芽摘み方法
空気汚染に弱い繊細な面を持つので、育てるのにやや苦労しますが、しなやかな枝の伸びが美しいアカマツ。
芽摘みを行う時期は、4~5月ごろが良いとされています。芽摘みの基本に従って強い芽を元から摘み取り、2本くらい残すようにしましょう。
■クロマツの芽摘み方法
日本でとくに親しまれている松といえば、クロマツではないでしょうか。荒々しい幹肌からは、クロマツの力強い生命力と荘厳さが伝わってきます。

そんなクロマツの芽が動き出すのは、3月中旬~5月ごろです。芽が1か所から複数出ている場合は、基本に従って強いものを元から摘み取り、3本ほど残すようにしましょう。また、残した芽は、ほかの弱い芽に合わせて先端を摘むようにしてください。
■エゾマツの芽摘み方法
短く細かな葉が密集した姿が、ほかの松柏類と違った味わいを生み出す、エゾマツ。芽摘みの時期は5月上~下旬ごろが適しています。芽摘みの方法は、これまで松柏類と少し異なり、芽が伸びる順番に合わせて3回くらいに分けて行います。
また、新芽の葉が八分ほどに開いてきたら、こちらも先を摘み取りましょう。
■スギの芽摘み方法
名前に「マツ」の字が入っていませんが、スギも松柏類の一種です。スギは日本特産の樹木であり、幹がまっすぐ伸びる姿が整然とした美しさがあると盆栽愛好家に親しまれています。

スギの芽摘みは、5~10月ごろにこまめに行う必要があります。この時期は常に芽が伸びてくるので、そのつど目先を摘み取ってください。芽は元の部分を少し残す程度で構いません。