6月から7月、梅雨時に濃厚な香りで真っ白な花を咲かせる梔子は初心者が挑戦しやすい樹種です。梔子(クチナシ)は冬に濃い橙赤色の実をつけます。漢方薬などにも利用されているこの実が名前の由来で、実が熟しても割れない「口無し」とされたようです。萌芽が盛んで細かい枝をたくさん出すことから樹形が作りやすく、丈夫な性質なのも魅力です。花物にも実ものにも属することができる梔子は、盆栽としても広く育てられています。

梔子に適した場所

街路の植え込みとしても利用される梔子は比較的場所を選びません。日陰でも育ちますが、独特の濃緑色の葉色が悪くなったり実が付かなかったりします。日当たりが良い方が花付きなども良くなります。真夏の直射日光を避ける樹種が多い中、梔子はそんな環境ぐらいでは全く問題になりません。冬の寒さには少し弱い傾向があるので軒下に移動してやった方が良いでしょう。

水やりはこまめに

水切れを起こすと落葉します。軽ければまた葉が出てきますが、乾燥しやすいので気を付けてこまめに水やりをしましょう。開花中の水やりは、花にかからないように気をつけます。花粉が水で流れて傷み、美しさが半減し結実もしないことがあります。春と秋は1日1回から2回、夏場は朝晩の2回と冬は3日に1回程度を目安にします。夏場は特に鉢土が乾いたらすぐにたっぷり水やりをしましょう。

肥料は4月から10月に

夏場は肥料をいったん中止します。4月の新芽が伸び始めた頃から6月の梅雨入りまでは月1回程度、9月から10月ごろまでまた月に1回程度置き肥を与えます。肥料が多いと徒長したり実が付きにくくなることもあります。冬の間も肥料の必要はありません。

剪定は花の後と冬に

花が終わったらすぐに剪定をしましょう。伸びた枝先に花芽ができるため、込み合った枝や枯れ枝を落としておきます。梔子の花芽は7月と9月ごろに伸びてきた枝先にできます。ということは、花後すぐと8月の下旬ぐらいに剪定すると枝数も増えるというわけです。秋になれば花芽が見えるようになるので11月ごろから3月上旬までに花芽を残しながら不要な枝を剪定しましょう。

ひこばえが出たらすぐに切り取ります。

芽摘みと葉刈り

春に伸びだす新芽を5月上旬ぐらいまでに2節ほど摘むとしまった形になります。2番芽が出たら花後の剪定があるのでそれまで伸ばしておきましょう。

梔子の盆栽特有の作業に「全葉刈り」があります。萌芽力が強いため、開花の6月には蕾を残して葉を全部切ってしまいます。葉刈りの時期は6月の気温が上がるまで待ってからにしないと芽の吹き方が悪くなることがあります。

植え替え

用土は赤玉土単用で良いでしょう。寒さには弱いため、あまり寒い時期ではなく3月下旬から4月上旬ぐらいに植え替えるようにします。鉢から抜いたら根を良くほぐして短めに切り詰めましょう。生育がとても速い梔子の根は根詰まりしやすいため、1年から2年に1回は植え替えるようにしましょう。

梔子の実をつけるには

雌雄同花ですが、隣同士で梔子をもう一鉢植えておいた方が結実しやすくなります。屋外に置いてあれば強い香りで虫を引き寄せて受粉が促進する場合もあります。開花中や結実後の水切れは実が落ちる原因です。結実すると年が明けて2月ごろまでは落ちませんがそのままにしておくと樹の体力が落ちてしまいます。お正月あたりには実を取って回復させましょう。