初心者がまず知っておくべき、盆栽の作り方4パターン

盆栽カフェが人気となり、鑑賞物として楽しむ人が増えている盆栽。
しかし盆栽の一番の楽しみは、眺めることではなく、育てるところにあります。
なんとひと昔前までは、盆栽を始めるとき、山まで種木を採りに行っていたというのですから驚きです。

そこまでの労力を費やす必要はありませんが、盆栽を作る際には4つの方法があることは、初心者でも知っておく必要があります。4つの作り方とは、「実生(みしょう)」、「挿し木」、「接ぎ木」、そして「取り木」です。
それぞれの作り方の違いや特徴を知って、自分に一番合った方法を見つけましょう。

盆栽の作り方「実生」:もっとも思い通りの仕立てができる方法

実生とは、種から盆栽を作っていく方法です。植物に命を吹き込む最初の段階から育てるため、もっとも自分の思い通りの仕立てができる方法とされています。
【実生の種が入手できる場所】
盆栽の実生に使う種は、園芸店で入手することができます。ほとんどの場合が小袋にたくさん種を入れて販売しているので、一度に複数の盆栽を作ることも夢ではありません。
このほか、庭の楓やモミジの木から採取したり、ハイキングに出かけた野山の樹木から採取して作ることもできます。このように自分で種を採取する場合は、実が色づいて間もない時期に行いましょう。実の中には発芽を阻害する成分が含まれています。
【実生の種のまき方】
種を入手したら、なるべく早くまくのが理想的です。ただし冬に限っては、霜が降りることで土から種が出てきてしまう可能性があるので、避けましょう。冬を越し、3月ぐらいになってからまくようにしてください。

種はまく前日に水に浸しておきます。このとき水に浮いた種は発芽しないので、取り除いておきましょう。
いよいよ種まきです。底に配水用の穴をあけた木箱を用意し、用土を敷き詰めます。
種と種の間隔を適度に開けながらまいたら、種が隠れるまで土をかぶせましょう。
そして最後に、細めのジョウロで水をまいてください。

盆栽の作り方「挿し木」:親木と同じ性質の盆栽作りに最適

挿し木は、木の枝や根の一部を土に挿すことで盆栽を作る方法です。気に入った親木がある場合、同じ性質の盆栽を新たに作ることができます。
【挿し木に適した枝の選び方】
挿し木用の枝は、親木を剪定したときに切り落としたものを使うと良いでしょう。必ずしも、まっすぐの枝を使う必要はありません。個性的な曲線を描く枝を使って盆栽を作ると、根付いてすぐに小品盆栽として楽しむことができます。挿し木に選んだ枝は、下の方にある葉を取り除いておきましょう。ここから水分を失ってしまうことがあるためです。
【挿し木の方法】
挿し木を行う「挿し床」は、仕立て用の鉢で充分です。底に大粒の石(ゴロ土)を敷き、上から用土を入れます。用土は細かい赤土や山砂が良いでしょう。挿し穂(挿し木に使う枝)は、やや斜めにして植えます。複数植える場合は、葉が触れ合うスレスレの間隔を保つようにしてください。

挿し木を行う時期は、前年に剪定したものを使用する場合は2~3月ごろ、今年剪定したものの場合は6~9月ごろが良いでしょう。

盆栽の作り方「接ぎ木」:花ものや実もの盆栽におすすめ

接ぎ木は、台木(根の部分)と穂木(地上部)のふたつの素材をひとつの木として盆栽を作る方法です。花が咲く時期や実が実る時期が早くなるため、花ものや実ものの盆栽で多くみられます。
【台木と穂木の選び方】
接ぎ木の盆栽は、穂木を増やすために行います。そのため、台木は穂木と相性の良いものを選ばなければなりません。通常は、穂木と台木は同族のものを用います。また、ふたつの木に太さの差がありすぎるのもおすすめしません。見た目の美しさが損なわれるので、盆栽としての魅力を失ってしまいます。台木がやや太い程度におさめておくと良いでしょう。
【接ぎ木の方法】
台木に縦の切り込みを入れ、4~5cm程度に切った穂木を差し込みます。そしてビニールテープで巻いて、しっかり固定してください。接ぎ木を行う時期としては、12~2月ごろが最適とされています。

盆栽の作り方「取り木」:短期で盆栽を作る最適の方法

取り木は、枝や幹に傷をつけることで養分をせき止めたうえで、親木から切り離して新しい盆栽を作る方法です。ほかの作り方に比べて短期間で盆栽を作り上げることができます。
【取り木の方法】
取り木には、いくつかの方法があります。最も主流なのが、新たな盆栽として根付かせたい部分の樹皮をはがす「環状剥皮法」です。このとき、あま皮を残さないよう注意しましょう。最後に水で湿らせた水苔を巻き、ビニールでカバーし、ひもで固定してください。取り木は基本的に、いつでも行うことができます。
【親木から切り離すタイミング】
取り木用の枝や幹を切り離すタイミングは、水苔から根が10本以上出てきたあたりがベストです。初夏に取り木を行えば、秋には切り離せるでしょう。切り離したら根を傷めないよう、丁寧に水苔を取り除いてから鉢に植えてください。この段階では根の状態が不安定なので、鉢と木をひもで結んで固定しておきましょう。