盆栽の作り方「剪定」は美しさを保つための方法のひとつ

盆栽の作り方を学んでいくうえで、絶対外せないのが美しい姿を保つための技法です。
盆栽の美を作り上げる技法は「整姿法」といい、整姿法には剪定、芽摘み、葉刈りなどがあります。

ここで解説する剪定とは、伸びすぎた枝や全体のバランスを崩している個所を切り落とすことです。
剪定を行うと、姿が整うだけでなく、木全体の日当たりと風通りがよくなるため、木の生長を助けます。

ただし剪定は樹種や樹形に応じて柔軟に行わなければなりません。
ここでは基本中の基本を学んでいきましょう。

剪定に適した時期は?

一般的に剪定は、下記の時期が良いとされています。

・木の活動期を迎える直前である3月上旬
・新しい梢(樹木の先端)の伸びが止まる6~7月ごろ
・休眠期を迎える10~12月ごろ

ただし剪定に最適な時期は、弱い枝や古い枝など、木の生育状態によって個人差があります。自分の木の個性としっかり向き合って最適な時期を決めてくださいね。

剪定の基本①:切る枝と残す枝を見極める

盆栽初心者の剪定で最初に立ちはだかる壁は、切るべき枝と残すべき枝の見極めです。
こんなとき、ひとつの基準として「役枝」と「忌み枝」を知っておくと便利ですよ。
役枝
盆栽を美しい状態で保つために重要な役割を果たす枝です。
具体的には以下のようなものがあります。

差し枝・・ほかの枝よりも長く伸びたきき枝
受け枝・・差し枝の反対側から出ている枝
落ち枝・・幹から大きく下垂している枝
食いつき枝・・短いが幹に食いつくように伸びている枝

忌み枝
その枝があると盆栽の仕上がりが不自然に感じられる枝です。
具体的には以下のようなものがあります。

幹切り枝・・幹をさえぎるように伸びた枝
かんぬき枝・・幹の同じ位置から前後、あるいは左右に伸びた枝
車枝・・1か所から放射状に多数伸びている枝
立ち枝・・枝の途中から垂直に上へ伸びている枝
下り枝・・枝の途中から下へ垂れて伸びている枝

ただし忌み枝に該当するからとむやみやたらと切り落としたら寂しい木になってしまいます。剪定前にバランスに注意して判断するほか、ある程度予備枝を残しておくのもおすすめの手法です。

剪定の基本②:枝のどの部分を切るか決める

切る枝を決めてもどの位置で切り落とすかが、剪定では重要になります。
原則として、枝を伸ばしたい方向にある芽を残すよう芽の上2~3ミリ残して切りましょう。このとき外芽と呼ばれる枝の外側についた芽を残すと、今後の樹姿がととのえやすくなります。
また剪定に使うはさみは、よく切れるものを使用しましょう。

剪定の基本③:切った後の処理をする

切った場所をそのままにしておくと、乾燥や病気の原因となってしまいます。
切り口には癒合剤などを塗って、木の回復を助けることが大切です。

松柏類の太い枝の場合は、根元まで切ると残った部分が目立ってしまうので
枝元を少し残し、残った部分の皮をむくことで自然に仕上げるとよいでしょう。

また、雑木類の太い枝の場合は切り口の回復力(肉巻き)に合わせて対処します。
肉巻き部分が厚い場合は、幹にやや食い込むくらい切り取っても構いません。
そして切り口に癒合剤を塗っておきましょう。
肉巻き部分が薄い場合は、幹と平行になるよう切り取ってから癒合剤を塗ってください。