盆栽の歴史

盆栽とは盆つまり鉢の中で長い時間をかけ仕立て上げられたものです。天候や気温などに配慮しながら剪定や針金を使い樹形を決めていきます。
盆栽の始まりは中国で、中国では盆景と呼ばれていました。山水を二次元化したものが山水画、三次元化したものが庭園。そして盆の中で再現したのが盆景です。日本には中国の貿易商人たちによって、平安時代の末期に持ち込まれたとされています。

鎌倉時代には、禅僧や公家などの位の高い人々の間で流行し日本独自の文化として根付いていきます。
江戸時代になると一般庶民の間にも広まっていきます。このころは大型の大盆栽が主流でした。日本に現存する最古の盆栽は、徳川三代将軍家光の時代の五葉松の盆栽。徳川家光は盆栽の愛好者として知られる人物です。この五葉松の盆栽の樹齢は約600年といわれていますが、今でも毎年新芽を吹いているそうです。
江戸の末期からだんだん今のような小鉢仕立ての小品盆栽が登場し始めます。

そして、明治に入ると針金整枝法が開発され、それまで難しかった樹形作りが自由にできるようになります。この技術の発展により、愛好者はより思いのままに盆栽を楽しめるようになったのです。

明治維新以降は、政治家や皇族、財界などの要人の間で粋な嗜みとして愛でられるようになり貴族の庭園を飾り渡来した外国人たちを魅了しました。世界の万博博覧会に出品されたり、絵や写真、文献などで美しい日本文化として価値を高めながら世界に広がっていきました。
第二次世界大戦が終わると、景気が良くなり世の中が安定したことで一大園芸ブームが起こり、一般庶民も気軽に盆栽を楽しめるようになりました。

しかし、盆栽は園芸やガーデニングとは異なり庭全体を1つの風景として配置したり植物がより元気に長く成長できるよう世話をすることではありません。あくまでも一つの盆の中で厳しい自然やその美しさを再現することにあるのです。そのため、盆栽を仕立てる過程も独特であり葉の茂み具合や色合いの調整など細かな剪定を必要とします。また、自然を再現するため人工的に針金を使い樹形を変えたりします。

そのように長い時間をかけこまめに手入れをしながら、あくまでも自然の姿を盆の中で凝縮して再現することを目的としているのです。
その姿は迫力があり四季の移り変わりや壮大な自然の鼓動を感じることができるのです。

若い層や海外でも流行する盆栽

ひと昔前までは盆栽といえばおじいさんなど老後の楽しみというイメージが強かった盆栽ですが、今では若い層や海外からも高い注目が集まっています。仕上がりを想像しながら樹形を整えていく作業、肥料や水やりなど細やかな手入れを必要とすることで毎日の生活に樹と接する時間が生まれます。土や樹に触れ毎日少しづつ変化していく姿に忙しい現代人は癒しと潤いを得ているのかもしれません。

盆栽の始め方

最近は、園芸店だけでなく雑貨屋などでも盆栽が売られていることも多く初心者が気軽に始めることができます。
盆栽には一年中緑を楽しめる一般的な松柏盆栽・四季の移り変わりを感じることができる雑木盆栽・花や実を楽しめる花もの盆栽、実もの盆栽などがあります。
各地で盆栽市などがひらかれているので好きなものを見つけてみましょう。