梅の品種は200とも300とも言われています。簡単には実梅と花梅とに分類できます。九州に自生していたという説もありますが、実際のところは中国原産説が有力なバラ科サクラ属の落葉小高木です。
日本では奈良時代から生息し、江戸時代ごろから盆栽として栽培され親しまれてきました。日本の気候にも良く順応するため、比較的入手しやすい樹種で年末になると園芸店やスーパーの店頭にも寄せ植えとして並びます。それを購入して育てるという方法もアリで、決して寄せ植えだから悪かろうなどということはありません。幹が太めで枝の多いものを選べば盆栽として作ることは十分可能です。

月影(つきかげ)

白花で家紋の梅鉢のような美しい花です。蕾はや淡いグリーンを帯び、雄しべの黄色とほの青い花びらのコントラストが美しい品種です。小品盆栽に仕立てやすく、15センチぐらいの樹高でも十分な花付きが魅力です。日本各地にある梅園でも育てられている月影は特に花弁の美しさから気高い女王のようだと表現されます。野梅の性質で緑色のままの枝に花が付くことから、日に透けて一層の青白さを見せます。

大盃(おおさかずき)

大きな一重の花をつける大盃は紅梅の代表です。とても雄しべが長く、鮮やかなショッキングピンクと相まって圧巻の美しさを誇る品種です。年明けから蕾が大きくなり始め、厳寒の2月には満開になる早春にふさわしい梅です。

雲龍梅(うんりゅうばい)

蔓のような枝が風に乗って舞う龍のようにのばすことからこの名がつけられました。花は白色の八重咲で派手さはありませんが、幹や枝の容姿に風流な趣のある品種です。

緋の司(ひのつかさ)

しだれ梅で花は紅色の八重咲です。中輪でややぽってりとした花弁と長い雄しべが特徴です。とても鮮やかな色で、紅色というよりも緋色という方が似合うでしょう。3月中旬まで滝のように枝垂れた枝に香りのよい花をつけます。

満月しだれ(まんげつしだれ)

一重咲きで野梅性の真っ白なしだれ梅です。やや早咲きの中輪で、枝の伸びと花付きがとても良いことが特徴です。花弁の色がとても美しく、「満月」という名がふさわしい真円に近い花びらの先が淡く紅色を持ちます。花1輪でもとても美しい色味です。

思いのまま

紅白咲き分けの野梅性の美しい品種です。変わり種がお好きならぜひこの「思いのまま」は手に入れたい品種です。野梅性は原種に近いため、枝がか細くとげとげしい小枝が多いことが特徴です。香りが高く葉が毛でおおわれていないことが特徴です。通常は接ぎ木をしたらその部分だけの花色が違うというものが多い中で、この品種は接ぎ木なしで紅白の美しい花を咲かせます。

梅盆栽は原種に近い野梅性が品があることで人気が高いとされています。比較的小さく育てても古木風になりやすいため、苔玉に仕立ててインテリアに取り入れることもできます。樹形を作りやすいためさまざまな形に仕立てられますが、重厚感のある幹とはかなげな枝や花の姿は「文人作り」にするととてもやわらかな印象が演出できます。

出来上がった梅盆栽を見るととても手が込んでいて複雑に見えますが、用土は赤玉単用でも育ってくれる優秀な樹種です。「桜伐る馬鹿梅伐らぬ馬鹿」という言葉があるように、梅は強健な性質で少々荒っぽい剪定をしても立派に育ってくれます。