「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざから知られるように桜の剪定は少々難しいです。
桜を弱らせないような正しい剪定方法と必要な道具について学習します。

桜盆栽の剪定時期

結実してしまうと木に負担がかかるため開花後はめしべごと花がらを取り、ついでに伸びた枝を1~2節残して切ります。
その後も勢いよく伸びる枝がありますので5月中旬に2~3節残して切り、6月の下旬にもう一度同じように伸びた枝を切ります。
11月の中旬に、極端に伸びて樹形を崩している枝があれば、先端を少しだけ切ってその年の剪定を終えます。

桜盆栽で重要な枝と切るべき枝

幹の足元から数えて1つ目の枝を一の枝、2つ目の枝を二の枝といい、三の枝、四の枝と続き、大切な枝として育てます。
ほかにも前枝や裏枝と樹形の構成に大切な枝が様々あるので、剪定の際には切らないように注意が必要です。

逆に、忌み枝と呼ばれ盆栽では嫌われる枝があります。
同じところから左右に出るかんぬき枝、1か所から放射線状に何本か伸びる車枝、枝順と逆方向に出てきた逆枝などは切るべき枝です。

桜盆栽の剪定で傷あとを残さない工夫

桜の枝を切ると傷あとが残るのではと敬遠しがちですが、太さ5mmほどの中太枝ならよく切れる刃物を使って剪定した後、専用パテで傷あと処理をおこなえば大丈夫です。
かなり太い枝に対しては、通常の傷あと処理に加え、傷口を黒いビニールテープで覆うことで日光が吸収され自然治癒力を促進させます。

幹の低い場所から出ている枝は切ると傷になりやすい傾向があるので、苗として購入したら早い段階で切り落としておくとよいでしょう。

桜盆栽の剪定に不可欠な道具と工程

木に傷を残さないようにするため、傷処理には2つの大事な工程があります。

・傷をきれいに削りなおすこと
剪定ばさみや股枝切りで切った後、よく切れるナイフで傷口を滑らかになおします。
全長200mm前後の細身小刀は狭いところの作業もしやすいので一本は所持しておきたい道具です。
刃先が半円状になった彫刻刀も一本あると、込み入った部分の傷をえぐる作業に使えます。

・癒傷保護剤で傷口を保護し治癒を助ける
傷口を覆い、傷の乾燥を防ぎながら治癒を促進させるパテ剤で、粘土状の樹脂に殺菌剤や発根促進剤が配合されたものです。

刃物で傷口を滑らかに削りなおした後、癒傷保護剤を傷全体に覆うように貼りつけます。
貼りつけた後も、傷口がふさがり始めるときにパテにひび割れが発生しますので、その都度、新しく癒傷保護剤を貼りつけなおす必要があります。
とくに寒い時期はパテも硬化しやすいので、ひび割れが多発しやすいため小まめにチェックしましょう。

桜盆栽の傷口が腐り始めたときは

傷の処理や保護が足らず、腐りが見え始めたら早急に処置することが重要です。
小さい傷であれば腐っている部分をよく研いだ刃物で削り落とし、癒傷保護剤を丁寧に貼りつけておきます。

ただし腐りが深部までいってしまい、悪くなった部分を削った後、大きな穴ができてしまった場合はもっと踏み込んだ処置が必要になってきます。
そのような場合、本来はモルタルを埋め込むのですが、モルタルの水分の調整で失敗することが多いので、市販されている水中ボンドに骨材を混ぜ合わせた充填剤を使うことをおすすめします。

充填剤を穴いっぱいに詰め込んだ後、穴の入り口と充填剤の境目を滑らかに整え、充填剤が乾くのを待ってから傷をすべて覆うように癒傷保護剤で保護します。
時間が経過すると木の癒傷組織が穴の外側から上がってきて、傷を覆い隠すようになり治癒します。