黒松、赤松、五葉松などの松の仲間は独特の幹肌を作るためには水やりに工夫が必要です。
風格ある松盆栽の育成に合った水やりについて学びます。

松盆栽に水やりペースをつかませる

松の力強さを象徴するような幹皮を作るには、厳しい条件下で木を育てることが重要です。
水はけが極めてよい砂を鉢に入れ、水やりは鉢内が乾いた状態を確認してから一気に与えます。
水を欲した根が威勢よく根の先を伸ばし、そういった強い根の生長の様子は枝ぶりにも反映されるので、そのように育った松は猛々しい姿の木に育っていきます。
ですが、タイミングを間違えると水切れを起こすことになり、だからといって水をやり過ぎると貧困な姿の木になってしまうので注意が必要です。
重要なポイントは、自己流のペースをつかみ調子を変えないで水やりを続けることです。いつしか木にもそのペースが伝わり枯れることは少なくなります。

松盆栽の水やり回数と方法

水やりの回数は鉢や木のサイズでまちまちですが、だいたい夏は日に2回、春秋は1回、冬は2日に1回が理想です。
ですが鉢の形状や素材によって水の蒸発量が変わってきますので、焼き締めの鉢に入れることの多い松盆栽は鉢土内の水が乾きやすいです。
暑い時期は釉薬が塗ってある鉢に変えてもいいでしょう。
夏場には植物全体に水をかけてやると、緑が活き活きしてきますが、昼間の日光が強いときに葉に水がかかってしまうと葉焼けを起こしてしまいます。
葉の上に落ちた水滴がレンズの役割をして葉を焼いてしまうので、水やりは太陽が低い朝と夕方におこなうのが鉄則です。

松盆栽の土は乾くと水をはじく

通常、盆栽用土として使う赤玉土や鹿沼土は水が乾いた後でも水の吸収率は変わりませんが、松類に使用する川砂は一度乾ききってしまうと、その後に水をやってもはじくことがあります。
うっかり鉢土を乾かし過ぎてしまったと感じたら何度かに分けながら水やりをし、酷い状態のときは水を入れたバケツに鉢ごと入れるといいでしょう。
ブクブクとバケツの底まで沈めて、5~10分そのままにして引き揚げます。
酷く乾いていた場合でも2~3時間つけっぱなしにすれば、葉や幹、水を吸い上げる管にも潤いが戻ってきます。

松盆栽の猛暑対策の失敗例3点

・肥料のあげすぎ
夏越えのために春先から肥料をたくさん与えることがありますが、栄養を得て芽をたくさん吹いた新しい葉は、強い光に弱く日焼けしやすい状態です。
木の様子を見て、肥料は春よりも秋に重点的に与えるようにしましょう。

・鉢の置き場を変え過ぎる
真夏の気温は尋常ではなく木製の棚板も高温になるため、棚上から棚下に鉢を移動することは賢明です。
棚下は炎天下を避けられるばかりか、空中湿度も高いので乾燥しがちな鉢は優先して移しましょう。
ですが、鉢の表裏の向きを頻繁に変えたり、南側にあったものを北側に置き直したり、勢いのある木と弱っている木の場所を交換したりを繰り返すのはよくありません。
盆栽は生命の維持のため置かれた状況に早く順応しようとしますが、たびたびその環境が変わることで木が疲れて消耗してしまいます。

・盆栽が蒸れていることに気づかない
鉢と鉢の間に幅を取り風が通るような工夫をしていても、よく見ると枝同士が触れている場合があります。
気づかずにいると、あっという間に蒸れた環境が生まれてしまうので、盆栽棚の配置を念入りに確認することをおすすめします。