盆栽を始めようとして、まず何から手を出してよいのかわからないと考えている方は多いと思います。そこで、おすすめなのが黒松の盆栽です。黒松は初心者でも作りやすい樹形が美しい樹木です。今回はどのように盆栽を仕立てていくかをご説明します。

芽摘みについて

年数回、季節ごとの剪定が必要になります。基本的な作業となると大きくわけて2つあります。一つは「芽摘み」で、新芽が出てくる時期に行う作業です。そして二つ目は「葉透かし」と「もみあげ」です。

芽摘みは春の初め頃になると松の新芽がでてきます。芽摘みとはその新芽を取り除く作業になります。まだ葉が開いていない状態で伸びていくので、そのまま伸び続けさせてしまうと形が損なわれていってしまいます、これを繁茂といいます。放置すると形のバランスが整わなくなってしまいます。以下に芽摘みを行うことの目的を細かく解説します。

1、枝の間延びを防いで小枝を増やす

新芽をそのままにしていると、枝分かれせずに葉も長くなってしまいます。

そこで芽摘みをすると新芽の伸びが止まります。そうなると次に出る2番芽で細かい枝を増やすことができます。

2、樹高を低くする

芽摘みをすることで、枝が太りにくくなり、全体的にまとまった印象を持つ樹形を維持することができます。

3、樹全体の樹勢を平均化する

芽摘みの調整を行うことで、弱い部分を長めで調整したり、強い部分を強く摘み上げることで全体の枝の力を考えることができるようになります。

4、日当たりと採光を改善する

芽摘みはその後の枝の長さにも関わってくるので、芽摘みの強弱によって採光を考えることができます。

そしてやり方は以下になります。

  1. 時期は4~5末頃。
  2. 長い芽(主芽)と短い芽(側芽)があるので、長い芽を摘み取って、残りの短い芽は半分から三分の一のあたりで折っていく。成長と樹形に合わせて適宜調整する。

4~5月頃は芽は柔らかく手で折ることができます。しかし成長が進み、6~7月頃になると芽は固くなってしまうのでハサミを使用する必要があります。芽を摘む時は木バサミを使って下さい。

葉透かし

葉透かしは松柏類特有の作業で、密集した細い葉の部分を抜いていく作業です。

抜き方は手で抜くのではなく、必ずピンセットを使って下さい。

葉透かしは、新芽の先端に5枚から7枚の葉を残して他の葉を抜く作業です。

手でやってはいけない理由としては、残さないといけない葉を誤って抜いてしまったり、折ってしまったりして見栄えが悪くならないようにするためです。

松は先端部に樹勢が集中しやすく、下の枝や大きな枝の中に埋もれてしまっている新芽などは日光があたらず枯れてしまいます。そこを葉透かしによって調整していきます。

しかしながら、ただ抜いていけばいいわけではありません。

ポイントは先端の強い枝先の葉を多く抜いて数を減らし、奥の陰になっているような弱い新芽の葉を多く残す。

樹勢の均等を図るのが葉透かしの目的です。

もみあげについて

残した新葉が多ければもみあげを行う必要が出てきます。

もみあげのやりかたは、簡単です。

【対象】伸びた夏芽

【やり方】先端から半分ほどを残して挟みで切り取る

以上のように行うことで、風通しや内部への日当たりが改善します。また葉量が少なくなるメリットもあるので、翌年の新芽の伸びを落ち着かせる働きもあります。

模様木づくりについて

模様木とは樹形の一つで、幹が模様を描くように曲がっている樹のことです。

選ぶ素材としては、根本が太くしっかりとしたものを選んで下さい。根張りが良いものを選ぶのもポイントです。

直径が5センチぐらいあれば針金をかけて矯正することができます。

ただ樹木ごとに仕立てる時期があります。黒松に針金を入れて太い幹を大きく曲げたいときはだいたい2月ぐらいから始めて下さい。そこから、半年から一年程はつけっぱなしで構いません。

針金かけのポイントは、針金を付けた際にどう見栄えがよくなるのかを想像しながら行うことです。これを曲つけと言います。

初心者はどの程度曲げたらよいのかわからないかもしれませんが、盆栽の樹形全体を見渡し、良い部分を強調させたり、悪い部分をなくすように気をつけながら行って下さい。

その際、あまり無理をしない程度で行ってください。剪定でもそうですが作業を行う過程で樹木を傷つけないようにすることも大切です。

植替えのタイミング

3年から4年ほど育てたら、植替えのタイミングです。時期としては4月上旬の新芽が生えてくる頃を狙って植替えを行って下さい。

  1. 根鉢を抜きます。残す根を傷めないように注意して外してください。
  2. 根を切りそろえる。作業の途中で必要な根を痛めないようにする。根ほぐしや歯ブラシなどを使用する。
  3. 鉢に入れる。実際の植え付けを想像しながら、位置、方向、角度を考えながらシミュレーションする。実際に鉢のサイズが合うかどうかの確認も行って下さい。
  4. 底土と元肥を入れる。
  5. 植え付け固定する。