桜盆栽を毎年咲かせるためには適切な作業を適期にすることが重要になりますが、必要なポイントを6つに絞り学びます。
目次
開花には桜盆栽の置き場所が大切
川沿いの土手で見事に花開く桜を思い浮かべましょう。
日の当たるところにある桜は力強い枝ぶりで、花芽をたくさんつけています。
木の間を風が抜け、湿気を感じない木肌には病気もありません。
盆栽に仕立てた桜においても、太陽光線と風通しのよさは木に最高の影響をもたらします。
盆栽棚は庭木から離した南面に置き、地面からの距離を置くためにも、高さは70~90cmのものを設置することをおすすめします。
鉢間はあけ、時々鉢を回すことで木のすべての面に日光が当たるように工夫します。
冬場はムロや部屋に入れて防寒するのが望ましいですが、そのときも日当たりがよく空気の流れを感じる場所に置くことが大切です。
ですが、暖房の当たるところは避けるように注意してください。
乾燥の原因になりますし、不自然な気温の変化は木のバイオリズムを狂わせることになり、開花にも悪影響が出てきます。
盆栽の花がら取りを小まめにおこなう
実がついてしまうと木はその実を充実させるためにたくさんの力を消費させてしまうので、結実させてしまった翌年には花を咲かせない盆栽があるのはそのためです。
ですから、花が終わったらすぐに花がらを取り除き、結実させないようにしてから、去年伸びた枝もついでに2節残して切ってしまいましょう。
ただし、芽摘みや徒長枝切り、芽かきは木に負担をかけてしまうものなので、樹姿が大きく崩れているときのみに留めます。
桜盆栽の植え替えを丁寧におこなう
桜の根の生長は早く、すぐに鉢の中でいっぱいになってしまうので、毎年鉢から抜いて根を切りリフレッシュさせる必要があります。
早春におこなう植え替えのときには、新しく桜に適した配合用土を用意します。
根についている土をピンセットやはしを使って綺麗に落としほぐし、根を整理したあとは木や根の大きさに見合った鉢に植えつけましょう。
木と土が鉢に収まった状態で、ピンセットを縦に数回差し込み、根の間にも土がまんべんなく入り込むようにするのが重要です。
桜盆栽が好む肥料を計画的に施肥する
油粕7割に花の育成に必要なリン酸を含む骨粉や鶏糞を3の割合で配合したものを、水で練り合わせて肥料だんごを作ります。
直径3cmの大きさに丸め、1~2週間天日に当てて乾燥させれば完成です。
1号鉢で1個、2号鉢では2個の比率で、鉢土の上に向かい合わせて置きます。
4~10月まで毎月一度施し、入梅時や気温の高いときは木が弱まるので控えます。
また6~8月は花芽が作られるときなので、この時期に窒素分の多い肥料を与えてしまうと花芽がつきにくくなるという理由もあります。
桜盆栽の木や鉢に合った灌水をおこなう
木や鉢の大きさに合わせた水を与えることが、花を咲かせるための一番の条件です。
鉢は大きさばかりではなく鉢の素材を考慮することも重要で、釉薬の塗っていない焼き締めた鉢は水分の蒸発が早いので注意しましょう。
表土が乾き過ぎないタイミングで、鉢底から水が抜けて出てくるほどたっぷりとあげます。
桜盆栽の病害虫の予防や駆除を丹念におこなう
勢いがあるように見える盆栽でも、急激に変化する天候に対応できず、あっという間に病害虫に蝕まれるということは多々あります。
害虫や病気予防のために定期的に消毒をおこない、虫を見つけたら早急に駆除します。
鉢中の土が乾いた状態のまま消毒をすると、葉が焼けてしまうことがあるため注意が必要です。
消毒液は葉の表ばかりでなく裏にも十分にかかるよう丁寧におこないましょう。