盆栽の美と健康に苔は欠かせない

土を緑で覆うことで、木引き立てる苔は、盆栽の美しさを保つためには欠かせない存在です。また、その一方で土の乾燥を防ぐことで、木の健康を守るという役割も担っています。

盆栽の育て方をマスターするうえでは苔の張り方は外せません。ここでは苔張りに必要な準備から張り方の基本的な流れについて解説しています。

まずは苔を張る準備をしよう

苔をスムーズに張るためには、あらかじめ道具などを手元に準備しておくことが大切です。必要なものは以下の通りとなります。

・苔
・ケト土
・ハサミ
苔は天然のものを採取したもので良い?
原則として、盆栽に張る苔は人工生産のものが良いでしょう。天然のものを採取した場合、土から強引に削り取っているため、苔の根を傷つけている可能性があります。その場合、今後苔が順調に育たないことがあるのです。最近ではオンラインショップや園芸店でいろんな種類の苔が売られているので、できればこうした販売店から入手するようにしましょう。
ケト土って何?
ケト土とは、簡単に言うと用土と苔をつなぐ接着剤となる土のことです。葦や水性の苔などが枯れて水底にたまり、長年かけて粘土状の土になったものを指します。そのため水分を含むと強い粘り気が出るのが特徴です。

基本的な苔の張り方

基本的な苔の張り方は、全部で4ステップあります。
ステップ1:苔を水に浸す
苔と土が馴染みやすくするために、苔を張る前には全体に十分水を含ませましょう。
ステップ2:盆栽鉢に用土とケト土を敷き詰める
まずは盆栽鉢に、あらかじめ配合しておいた用土を敷き詰めます。
つづいてケト土を水に浸し、粘り気のある泥状になったら、用土の上にのせて敷き詰めましょう。
ステップ3:苔を全体に敷き詰める
いよいよ苔の登場です。苔をケト土にのせるときは、軽く押し付けるようにしましょう。また、状況に応じてハサミで苔を割ったり形を整えてから土にのせるようにするとスムーズにできます。
ステップ4:すき間に苔を張る
全体的に苔を張り終わったら、すき間に小さめにカットした苔を張りましょう。
すき間より少し大きめにカットして、軽く押し込むようにして張ると、きれいに仕上がります。

茎が長い苔の張り方のポイント

ハイゴケのように、茎が長い苔を張るときも基本の張り方と大まかなやり方は変わりません。しかし、いくつか気を付けたいポイントがあります。
①必要な大きさを確認する
ハイゴケの場合は、苔を割ったり形をととのえながら何回も張るということはしません。そのため鉢の上から苔を当てて、必要な大きさをあらかじめ確認しておきましょう。
②余分なごみをとっておく
茎が長い苔は、すき間に小さなごみが絡まっていることがあります。見た目に悪いほか、作業の邪魔になるので、先に取り除いておきましょう。
③切りそろえて見た目をととのえる
ハイゴケのような茎が長い苔は、土にのせたら見た目をととのえるために余分な場所をカットしましょう。たとえば鉢の縁からはみ出している部分は鉢の形に沿って切りそろえます。全体的なバランスを大切に、ととのえてください。
④残った部分は鉢の内側へ
カットしても残ってしまった余分なところは、鉢の内側へ指の腹を使って押し込みましょう。指ではできない細かな作用はピンセットを使って行うとよいでしょう。