海外でも人気で初心者にも育てやすい真柏(シンパク)は、年数が浅い樹でも古木の風格が出やすく一鉢持っていた樹種です。海外では「ジュニパー」としてアロマテラピーにも利用される香りの高さも人気の秘訣でしょう。自然界にある真柏は風雪にさらされることで幹の木質が朽ち、深山の中における白い化石のような美しさです。

松柏盆栽の「松柏」は、マツとカシワのことで日本人にはなじみの深い樹種です。ヒノキ科の真柏は威厳のあるイメージがあり、初めのうちはなかなか育ててみようと思いづらい樹ですが芸術的な魅力をたくさん持っています。

日本全国の生垣などによく利用されているイブキの仲間で、盆栽としては糸魚川真柏が特に珍重されています。

日当たりと風通しの良さを好みますが、暑さ寒さへの適応力を持っています。

水やりの目安

マツよりも水を好むので、灌水の回数は少し多めで夏場は葉水をかけるようにします。盆栽鉢の大きさにもよりますが、春と秋は1日1回、夏場は1日2回から3回を目安に葉水も織り交ぜるようにします。冬場は3日に1回程度が目安ですが、いずれの季節も用土表面が乾いたら水やりです。

真柏の肥料

生育期の4月から10月の間に施肥をします。梅雨と真夏は避けるようにして、月に1回固形肥料や窒素分の多い油かすを置きます。

剪定について

栄養状態が良いと脇芽がどんどん増え、様々な樹形が作れます。初心者でも針金整枝が比較的しやすい樹です。生育が旺盛なのですぐに枝葉が混み合うため、生育期間中なら時季を問わず芽摘みや剪定は欠かせません。樹形は不等辺三角形になるように整えるのがスタンダードです。

芽摘み

求める樹形から飛び出している葉を指で摘みます。鋏を使うと葉が変色するので必ず指で摘み取ります。伸びるたびに摘むのは面倒に感じるかもしれませんが、手で摘むのは毎日鑑賞しながらできますね。

葉透かし

幹に近い葉で下を向いている葉は摘み取りましょう。先端の方にあるものは摘みません。

剪定

葉が出そろってくるとだんだん幹が太ります。増え過ぎの葉が混み合うと風通しが悪くなり病気が発生することもあるので、長い枝や不要な小枝をハサミで剪定します。胴吹き芽(幹から出る新芽)と古い枝が近ければ、古い枝を切っても良いでしょう。360度ぐるりと見まわして不要そうな枝葉は切った方が樹の健康を守るためにも大切です。

真柏の用土と植え替え

植え替え時期は春と秋のお彼岸を目安に、2年から3年に1回すると良いでしょう。

用土

真柏はアルカリ性のようどを好みます。小粒の赤玉土単用で育てることができます。水はけを考えて桐生砂を配合したり、専用用土を購入しても良いですね。若木を早く大きくしたい時には桐生砂などを3割から5割程度配合した方が早く育ちます。

植え替え

替える盆栽鉢に合わせて根をほぐします。横向きなどの太い根は切って良いですが、細い根は残しましょう。ただし一気に切り詰めてしまうと吸水ができなくなるので、徐々に加減しながら切り詰めます。植え替え後は日陰に置き、10日間隔ぐらいで半日陰から日向に戻すようにします。

スギのような葉が出てきた!

真柏は「紐葉」と呼ばれるひも状になった葉が良いとされ、スギの葉のような平たいものは嫌います。2種類の葉が出てしまいますし、強剪定で刈り込むと出やすい傾向にあります。紐葉の中に杉葉が出てきたらびっくりしますが病気ではありません。そのままにしておけば自然と落葉するので心配ありません。

針金整枝にチャレンジ

時季を問わず、樹形も整えやすいので初心者が針金かけにチャレンジしやすい樹種です。

剪定が済んだら枝を水平よりも下向きに針金をかけて押さえてみましょう。ほんの少し押さえるだけで見栄えがぐっと変わります。幹や太い枝を削って「神」「シャリ」づくりにも挑戦してみましょう!