鉢に1本の木が植えられている状態の盆栽を一般的に一本もの盆栽と呼び、数本の木が植えられている寄せ植え盆栽と区別されています。
盆栽に初めて触れる人にも育てやすい一本ものの木の種類と特徴について学びます。

キンズの一本もの盆栽

冬にも緑の葉が茂りオレンジ色の実をつける見どころ満載の一本です。
花が咲けば必ず実をつけ、長い間その姿を楽しめることから人気の高い樹種です。
幹や枝が堅くなりやすい性質をもっているので、早めに針金をかけて樹形を決め、2~3年でしっかりと曲がつけることが重要です。
柔らかいアルミ線を使用し、かけた針金は1か月半から2か月たった時点で外して、木に傷が残らないようにします。

樹形が出来上がると後はハサミで剪定しながら形を整えていきます。
寒さに弱い木なので植え替えは5月ごろが適期で、水はけのよさを重視した赤玉土と砂を半々に混ぜ込んだ土に植えつけます。

花がついた後はだいたい結実し、実は枝に長い間ついているので観賞を十分に楽しめる木なのですが、実をつけた状態は木にとって大きな負担になっています。
実を鑑賞した後は早めに摘果し、翌年も実を見るために養生させましょう。

施肥は植え替えの3週間後から始め、梅雨と暑い時期を除き、玉肥を毎月1度交換します。
盛夏には1週間に1度薄めた液肥を与えるといいでしょう。
暖地性の木ですので、11月下旬になったら部屋やムロに入れ防寒対策をし、春になっても霜が降りなくなったのを確認して外に出すようにします。

ノイバラの一本もの盆栽

園芸用のバラではなく野生種のバラを使った盆栽で、白やピンクの花とかわいい実も楽しめます。
落葉低木に種別され、八重の花びらのイザヨイバラ、つややかな葉が特徴のテリハノイバラなどは人気種ですが、土手に自生しているものを採取して盆栽に仕立てる人もいます。

丈夫な木ですが、一年中花が咲く品種は水切れに注意し、4~10月には肥料を施し毎月一度の交換を忘れないように管理しましょう。
また、悪い環境に長く置いておくと害虫が発生しやすくなるので、冬のうちに石灰硫黄合剤を使った消毒と、植え替え時には根を見て根頭がん腫病を疑われるこぶを見つけたら直ちに切り取って消毒しましょう。

春から秋にかけて土手や河原で野生のものを見つけたら、根を掘り上げて鉢に植えてみましょう。
長い根を整理して鉢に納めると簡単に根づき、翌年の植え替え時には剪定作業を加えることで、いい姿の盆栽に仕立てていくことができます。

サルスベリの一本もの盆栽

開花時期が長く、真夏に鮮やかな花を見るために大切に育てている愛好家は多いです。
ツルツルとした幹肌も美しいので、模様木、文人木などで曲を生かした樹形に仕立てたり、よく出るヒコバエ(木の根元から出る徒長枝)を利用した根連なりの形にしても楽しめます。

花を上手に咲かせるには、春先から花の時期まで忘れずに水やりをおこなうことです。
開花中にはとくに気温が高い時期ですので、水を切らさないように注意します。
肥料は4~10月の間に施し、毎月1度交換します。
花や実のためにリン酸とカリの含有量の多い肥料がおすすめです。

アブラムシが発生しやすいので定期的な消毒をするようにし、見つけたらすぐに殺虫をします。
鉢替えの時期は赤玉土を多めに入れた基本用土を用意して、暖かくなった4月におこないます。
新しい根を出しやすい性質なので、古い根は思い切って整理しておくと細い根が伸びて木の生長が促されます。