盆栽には「鉢映り」という言葉があり、木と鉢の相性を見極めてバランスのよく組み合わせることを大切にしています。
盆栽を際立たせるための重要な役割をもつ鉢について学びます。

正面から見た盆栽鉢の形の種類

正面から見ると深さのある鉢と浅い鉢があります。
深いものは切り立った崖を思わせるので、懸崖樹形の木を植えつけると、不安定な環境の中で伸びあがる勢いのある風景を作り出すことができます。
広がりを感じさせる浅い鉢は寄せ植え盆栽に使用することが多く、静かに沈むような安定感を表現します。
真正面からとらえたとき、四つ角が際立つ形のものは松のような雄々しい樹種に合い、逆に丸みのある鉢は、優しさを感じさせる花もの盆栽によく合います。
また鉢の縁にも個性はあり、内側に向いているものにはまとまりを感じ、外に張り出している縁は強さが出るので、木もそれに合うようなものを選ばなくてはなりません。

上から見た盆栽鉢の形の種類

大きく円形、楕円形、四角形のものに分けられます。
どこから見ても同じ円形の鉢は調和を感じられるので、まとまった草もの盆栽や花もの盆栽にふさわしいです。
四角いものは正面、側面などがはっきりしているので、盆栽の形に合わせて考えながら植えつける必要があります。
楕円形は円形よりも変化に富むので、雑木類の寄せ植えに使うと自由で優しい景色を楽しむことができます。

盆栽鉢の色の種類

様々な色の鉢がそろっていますが、明るさが目立つ赤色、黄色、白色のものと深く暗い色調の黒色、青色と、それらの中間色にあたる緑色や灰色など大きく3つのグループに分けられます。
色調の強い赤は穏やかな木との組み合わせることでバランスのよい盆栽になり、特徴がなく弱いイメージのある白の鉢には、個性のある木で調和させることができます。
黄色は個性が強いので植える木によって、落ち着かないものになったりおもしろいものになったりするので、上級者におすすめの鉢色です。
暗い色の代表は黒ですが、どのような木を植えても似合うので無難な色ともいえます。
明るい色と暗い色との中間にある色彩のものは、鉢だけを見るとイメージは湧きにくいのですが、実際に木を合わせてみると感じよく仕上がるものが多いです。

盆栽鉢の作られた場所による種類

中国から入ってきた支那鉢と古くから日本で作られてきた日本鉢に大別され、色や形に魅力がある支那鉢は人気が高いです。
支那鉢を見本にして作ってきたのが日本鉢です。
輸入に制限が入り高価になってしまった支那鉢に比べ、日本の鉢は安価でよいものもたくさんあり、とくに常滑、信楽、備前などで焼かれたものが有名です。

盆栽鉢の焼き方による違い

土を練ってそのまま焼いた素焼き鉢と、粘土を成形した後に色をつけるための釉薬をかけて焼いた釉焼き鉢の2つの種類があります。

素焼き鉢は通気性や排水性に富むので盆栽苗を育てるときに使用したり、鉢の土肌が松柏類の盆栽と相性がいいので合わせたりすることが多いです。
朱色の焼き色に特徴がある朱泥、紫がかった紫泥、深い色合いの黒泥、南蛮焼きなどといったものがあります。

釉焼き鉢は化粧鉢や観賞鉢と呼ばれ、仕上がった盆栽を植えつけて観賞を楽しむときに使用されることの多い鉢です。
主に好まれて使われているものに交趾鉢、海鼠鉢、南京鉢などがあり、色によって分けられています。
色鮮やかなものに目はいってしまいますが、木と合わせるにはあまり色調の強いものを選ばないほうがいいでしょう。